中尊寺ゆつこ

(ちゅうそんじゆつこ)
漫画家・コメンテーター・随筆家(エッセイスト)。音楽ジャーナリストである小林雅明の妻。

小学生時代より漫画の上手い天才少女と称賛され、テレビ出演を果たすほどの注目を集めながら、モデルとしても活動していた。1987年、集英社が発行していた青年漫画雑誌「ビジネスジャンプ」、および双葉社が発行する青年漫画雑誌「週刊漫画アクション」にて新人賞を受賞したことをきっかけに、本格的に漫画家としての道を歩み始める。

代表的な作品の1つ、「スイートスポット」に登場する「オヤジギャル」は、1990年に「新語・流行語大賞」を獲得し、一世を風靡するに至った。ちなみに「オヤジギャル」とは、どことなくオヤジ(中高年男性)を彷彿とさせる言動を有し、日本的な奥ゆかしさとはかけ離れた、ルーズな性格の若い女性を揶揄する言葉だった。

主な作品には、上述した「スイートスポット」を始め、「お嬢だん」「新・お嬢だん」「お嬢品経済学」「プリンセス in Tokyo」「マダム陰アンド陽」「ワイルドQ」「ハマのメリーJさん」「うらわか姫」などがある。なお、「スイートスポット」および「お嬢だん」は、映像化も果たしている。

漫画以外のエッセイなどの著作には、「自分改造主義」「ちょっとあなたはめだちすぎ」「ニューヨークネイバーズ」「ヨノナカ関係論」「中尊寺ゆつこのスイートゴルフ」「アフリカンネイバーズ」「ていうか経済ってムズカシイじゃないですか」「新ニューヨークネイバーズ」「セレブ列伝」「やっぱり英語をしゃべりたい!」などがある。

また、東京都世田谷区に本拠を置く私立大学である駒澤大学への在学中には、「ロシアバレエ団」というバンドを結成して音楽活動を実施、インディーズレーベルから「シンクーム」といったシングルを発表するなどしていた。その流れもあってか、「CHANNEL’M’」「DON’T CALL ME BABY」といった楽曲を、1990年当時歌手として活動していた宮沢りえに提供しているほか、1993年にはアルバム「BREATH」を発表している。

神奈川県横浜市内にある病院にて死去。死因は、S状結腸癌(大腸癌の一種)であった。42歳。半年ほど前にS状結腸癌であることが発覚し、仕事を続けながら闘病生活を送っていたものの、回復は叶うことなく帰らぬ人となってしまった。

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