岩城宏之

(いわきひろゆき)
指揮者。同じく指揮者で、チェロ奏者・音楽教育者も務める齋藤秀雄や、やはり指揮者で、教育者でもある渡邉暁雄に師事、腕を磨いた。また、指揮者・作曲家・編曲家である山本直純とは大学時代からの知り合い(学年は山本が1つ下)であり、良き悪友でもあった。紫綬褒章・旭日中綬章・フランス芸術文化勲章受章者。

1954年、東京芸術大学に在学中、NHK交響楽団の指揮研究員となり、1956年には早々と指揮者としてプロデビューを果たす。NHK交響楽団指揮者・バンベルク交響楽団指揮者を経て、1968年、ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者に就任。1971年には、名古屋フィルハーモニー交響楽団初代音楽総監督に就任。さらに1974年には、メルボルン交響楽団首席指揮者に就任するなど、世界の要職を次々と務めた。

1983年には政治家を志し、参議院議員選挙・比例区に無党派市民連合から立候補するも、落選。2003年には、芸術家のための栄誉機関かつ文化庁の特別機関である「日本芸術院」会員となる。2004年・2005年と、2年連続で12月31日の大みそかに、たった1人でベートーヴェン全交響曲を指揮するという偉業を成し遂げている。

著書に、「男のためのヤセる本」「岩城音楽教室」「棒ふりのカフェテラス」「ハニホヘト音楽説法」「棒ふり旅がらす」「続・棒ふり旅がらす」「行動する作曲家たち(対談集)」「森のうた」「回転扉のむこう側」「フィルハーモニーの風景」「この目で見た東欧(元ニュースキャスター・磯村尚徳との共著)」「いじめの風景」「指揮のおけいこ」「作曲家武満徹と人間黛敏郎」「チンドン屋の大将になりたかった男」「『オーケストラの職人たち」「音の影」など、多数。

塩野義製薬・シャープといった著名企業のテレビCMにも出演していた。

受賞歴に、日本エッセイストクラブ賞など。

死因は、心不全であった。73歳。

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