坂井泉水

(さかいいずみ)
ミュージシャン・ZARDのボーカリスト。かつてZARDは坂井泉水を中心に結成された音楽ユニットだったが、その後は実質坂井のみとなっている。また、ZARDとしてのデビュー前は、モデル・レースクイーンとして活動しており、その際の名義は「蒲池幸子(かまち さちこ)」。

代表曲に「Good-bye My Loneliness」「眠れない夜を抱いて」「IN MY ARMS TONIGHT」「負けないで」「君がいない」「揺れる想い」「もう少し あと少し…」「きっと忘れない」「この愛に泳ぎ疲れても」「こんなにそばに居るのに」「あなたを感じていたい」「Just believe in love」「愛が見えない」「マイ フレンド」「心を開いて」「Don’t you see!」「君に逢いたくなったら…」「風が通り抜ける街へ」「永遠」「My Baby Grand 〜ぬくもりが欲しくて〜」「息もできない」「運命のルーレット廻して」「新しいドア 〜冬のひまわり〜」「MIND GAMES」「世界はきっと未来の中」「この涙 星になれ」「Get U’re Dream」「さわやかな君の気持ち」「明日を夢見て」「もっと近くで君の横顔見ていたい」「かけがえのないもの」「今日はゆっくり話そう」「星のかがやきよ」「ハートに火をつけて」など多数。残された歌詞やレコーディング記録を基に、「グロリアス マインド」「翼を広げて」「素直に言えなくて」といった曲も死後に発表された。シングル曲のほとんどが、テレビドラマ・テレビアニメの主題歌や、CMのテーマソングといったタイアップ曲となっている。

THE BEST 5 NEW ARTIST OF THE YEAR、日本ゴールドディスク大賞、BEST SINGLE OF THE YEAR、アルバム賞(ロック・フォーク女性部門)、ロック・アルバム・オブ・ザ・イヤーなど、受賞歴多数。また、「負けないで」「揺れる想い」「マイ フレンド」がミリオンセラーとなるなど、1990年代における女性ボーカルアーティストとして、最も多くのCDシングル売上枚数を記録している。

他、テレサ・テン、DEENを始め、FIELD OF VIEW・WANDS・森進一など、様々な歌手やグループに詩を提供。歌詞へのこだわり、心を込めた言葉選びやその美しさは、ファンならずとも知るところとなっていた。

2000年以降、子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症を患い、通院しながら仕事をこなす闘病生活に入った。NHKのシドニーオリンピック放送・テーマ曲に「Get U’re Dream」が選ばれ、紅白歌合戦にも出場するとの話が挙がったが、体調不良のため辞退した。その後、子宮頸癌が発見され、肺へも転移。入院し、抗癌剤による治療を受けながら、アルバム制作やコンサートツアーに向け準備を進めていた。

死因は、後頭部強打による脳挫傷(不慮の事故)とされている。40歳。入院先の慶應義塾大学病院内にて、約3メートルの高さにある階段から転落し、倒れているところを発見される。集中治療室で懸命な緊急処置が続けられたものの、助からなかった。

(以下、管理者コメント)

デビュー当時こそ各種メディアに様々な形で登場していましたが、大ヒット曲「負けないで」の発売を過ぎたあたりから極端にメディアでの露出が減少し、ライブもほとんど開催しないことも相俟って、ミステリアスな雰囲気が常につきまとうアーティストでした。

そして、それがまた大きな魅力でもありました。その素性が明かされる機会はそれほど多くなかったにも関わらず、音楽に対する情熱と真摯な姿勢はよく知られており、特にその歌詞においては、男女問わず若者を中心に大きな共感を呼び、女性ボーカリストとして確固たる地位を築くに至りました。

それだけに、若くして癌を患っていたこと、入院中に階段から転落して非業の死を遂げたことが明らかになった時には、日本中に大きな衝撃が走ったものですが、その死については様々な憶測が流れるなど、最期までミステリアスなまま我々の記憶にとどまることとなりました。

現在でも、命日などにおいては各地でイベントが開催されたり、楽曲が様々なシチュエーションでフィーチャーされたりと、その存在感は少しも陰りを見せることはありません。

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