泡坂妻夫

(あわさかつまお)
作家・小説家。推理小説の分野で数多くの作品を残し、多くのファンに支持された。一方で、奇術をこよなく愛する愛好家でもあり、自身も奇術師として活動し、1968年には石田天海賞を受賞するなどの活躍を見せていた。さらに、紋章上絵師としての顔も持つという異色の経歴の持ち主。本名である「厚川昌男」(あつかわまさお)名義による活動歴もある。

発表した主な小説作品には、「亜愛一郎の狼狽」「亜愛一郎の逃亡」「花火と銃声」「天井のとらんぷ」「毒薬の輪舞」「生者と死者」「ヨギガンジーの妖術」「しあわせの書」「凧をみる武士」「織姫かえる」「鬼女の鱗」「からくり富」「夢裡庵先生捕物帳」「びいどろの筆」「乱れからくり」「11枚のとらんぷ」「湖底のまつり」「喜劇悲奇劇」「妖女のねむり」「花嫁は二度眠る」「黒き舞楽」「猫女」「からくり東海道」「春のとなり」「ゆきなだれ」「奇跡の男」「砂のアラベスク」「ぼくたちの太陽」「泡坂妻夫の怖い話」「恋路吟行」「トリュフとトナカイ」「蚊取湖殺人事件」など、枚挙に暇がない。

小説以外の発表作品(エッセイ・記述ショートショート、家紋についての著作など)には、「秘文字」「トリック交響曲」「ミステリーでも奇術でも」「大江戸奇術考」「マジックの世界」「卍の魔力、巴の呪力」「泡亭の一夜」などがある。

その作品の多くが、映画やテレビドラマとして映像化された。その一部を紹介すると、児玉進が監督を務め、松田優作が主役を演じた1979年の映画「乱れからくり」や、浅野ゆう子が主役を演じたテレビドラマ「花嫁のさけび」、山口智子が主役を演じたテレビドラマ「新婚・団地妻殺人事件」、泉ピン子が主役を演じたテレビドラマ「猫に憑かれた花嫁」、小林薫が主役を演じたテレビドラマ「宝引の辰捕者帳」、名取裕子が主役を演じたテレビドラマ「名取裕子」など、多数。

主な受賞歴に、幻影城新人賞(佳作)、日本推理作家協会賞、泉鏡花文学賞、角川小説賞、直木賞などがある。

東京都内にある病院にて死去。死因は、急性大動脈解離であった。75歳。亡くなる前日まで執筆活動を続けていたという。

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