(ながとひろゆき)
俳優。津川雅彦の兄、南田洋子の夫。歌舞伎役者・映画俳優であった4代目澤村國太郎、及び女優であったマキノ智子の息子。
主な受賞歴に、ブルーリボン賞(主演男優賞)や、毎日映画コンクールにおける男優助演賞などがある。独特の雰囲気と存在感で、主演を始め、主に悪役や敵役のバイプレイヤーとしても数々の作品を盛り上げた。
一時は、著書である暴露本(「洋子へ」)の出版で、名指しされた多くの女優などから猛反発を食らい、妻である南田洋子と共に、全てのCMや出演番組から降板したものの、長年をかけて徐々に復活を果たした。
主な出演映画に、「続清水港」「鳥人」「無法松の一生」「恋天狗」「ジャズ・オン・パレード」「狂った果実」「夫婦百景」「セールスマン物語」「愛と死のかたみ」「秋津温泉」「憎いあンちくしょう」「美しい暦」「青春を返せ」「大根と人参」「日本一のマジメ人間」「夜明けの二人」「バージンブルース」「父よ母よ!」「ハチ公物語」「スケバン刑事」「砂の上のロビンソン」「TOMORROW」「さわこの恋」「当選確実」「なにわ忠臣蔵」「弱虫(チンピラ)」「男前」「夢のまにまに」「22才の別れ」「プライド」「青い青い空」などがある。
また、主な出演テレビドラマには、「山の彼方」「センチメンタル・ギャング」「空をとぶ妻」「誰も知らない」「花の生涯」「徳川家康」「天と地と」「東京けちんぼ族」「天真らんまん」「剣」「さすらいの狼」「赤い衝撃」「たんぽぽ」「おていちゃん」「おしん」「どんど晴れ」「幻之介世直し帖」「太陽にほえろ!」「裸の大将」「プロゴルファー祈子」「池中玄太80キロ」「灰色無罪」「白虎隊」「奇兵隊」「遠山の金さん」「鬼平犯科帳」「樅ノ木は残った」「影狩り」「珠玉の女」「江戸の用心棒」「織田信長」「大岡越前」「水戸黄門」「和服デザイナー探偵」「サラリーマン金太郎」「相棒」「大魔神カノン」「湯けむりスナイパー」「落日燃ゆ」「おみやさん」「隠密八百八町」「再生巨流」などがある。
なお、上述した作品はほんの一部であり、一話のみの出演なども含めたすべてをここに掲げた場合にどれほどのページ量になるのか、とてもではないが想像がつかないほどである。
その他、「みんな元気に!健康クイズ」「とんねるずのみなさんのおかげです」などのバラエティ番組や、「極道の山本じゃ!」「キタの帝王」「雀鬼」「獅子の鎮魂歌」などのVシネマ、「金鳥」「富士急ハイランド」「カルピス」「武田食品工業」「森永製菓」「興和」といったテレビCMなどでも活躍した。その中には、妻である南田洋子との共演も多い。
著書に、上述した「洋子へ」の他、「われらガチョウ夫婦」「待ってくれ、洋子」「洋子、やっぱりいってしまったのか」などがある。なお、晩年は認知症を患った妻である南田洋子の介護に尽力しており、「待ってくれ、洋子」「洋子、やっぱりいってしまったのか」の2作品は、その様子を含めた手記である性格が強いものとなっている。
病院にて死去。死因は、肺炎による合併症であった。77歳。弟である津川雅彦によれば、前日までは元気であり、容体が急変したという。