評論家・翻訳家・小説家。小説「マルタの鷹」の翻訳者や、テレビドラマ「探偵物語」の原案者として有名。異なる複数の作家が生み出した作品を集め、別の作品としてまとめる「アンソロジスト」でもある。「名和立行」という名義で活動していた時期もある。作家・小説家・詩人であるほしおさなえ(旧ペンネーム:大下さなえ(おおしたさなえ)、萩山綾音(はぎやまあやね))の父。
1936年、岐阜県高山市生まれ。1957年に早稲田大学に入学し、文科系サークル「ワセダミステリクラブ」に所属しながら、評論家としての活動を開始。卒業後、医学系出版社である医学書院に入社し、編集者・翻訳者として活躍。以後、数々の作品を発表する傍らで、日本推理作家協会会員、マルタの鷹協会会員、日本冒険作家クラブ会員、アメリカ私立探偵作家クラブ会員、アメリカ探偵作家クラブ会員としても活動した。
主な著書(共著・編著を含む)に、「メンズ・マガジン入門」「アメリカ暗黒史」「女主人」「ハードボイルドの雑学」「英語おもしろゼミナール」「ハードボイルド・アメリカ」「小鷹信光・ミステリー読本」「サム・スペードに乾杯」「刑事コロンボ – 殺人依頼」「私のハードボイルド」「ポケットの中の25セントの宇宙」「これがホントのパズルでござる」「アメリカ・ハードボイルド紀行」「ニューヨーク徹底ガイド」「ピンナップ!」「ブラック・マスクの世界」「新パパイラスの舟と21の短篇」「冷えたギムレットのように」「とっておきの特別料理」「絶頂」「バンカーから死体が」など、多数。
そのほか、「破壊部隊」(ドナルド・ハミルトン)、「きみ自身をテストする」(ジュールス・レオポルド、ウィリアム・バーナード)、「ヘンリー・ルース」(ジョン・コブラー)、「夜の訪問者」(リチャード・マシスン)、「プレイボーイ帝国の内幕」(スティーブン・バイヤー)、「ローラーボール」(ウィリアム・ハリスン)、「女教師」(トー・クン)、「別れた女」(マルコ・ヴァッシー)、「ウェストレイクの犯罪学講座」(ドナルド・E・ウェストレイク)、「姦殺」(ロバート・ムーア)、「メン・イン・ラヴ – 男の性ファンタジー」(ナンシー・フライディ)、「マローン売り出す」(クレイグ・ライス)、「ジャック・リッチーのあの手この手」(ジャック・リッチー)、「ガラスの鍵」(ダシール・ハメット)、「炎の女」(ローレンス・サンダース)、「ファイナル・カントリー」(ジェイムズ・クラムリー)、「新しい義母」(メアリ・アン・バージェス)、「友よ、戦いの果てに」(ジェイムズ・クラムリー)など、翻訳も多数。
死因は、膵臓癌であった。79歳。