(はったしょうじ)
新派俳優。新派における貴重な名バイプレイヤーとして存在感のある演技が人々の心をつかんだ。、「婦系図」のカルメ焼き屋役や、「日本橋」の勘太郎役、「滝の白糸」の廷丁役、「京舞」の男衆米吉役、「太夫さん」の男衆役などが当たり役として知られている。
1953年3月に伊井友三郎門下に入り、「晴小袖」(明治座)で初舞台を踏み、深川木場の若者役を演じた。伊井友三郎氏が亡くなったあとは、1971年より安井昌二に師事。着々と芸を磨き、数々の舞台にて活躍した。人気作家である伊坂幸太郎のベストセラー小説を原作に、加瀬亮、岡田将生、吉高由里子、小日向文世らの出演で映画化した2009年の作品「重力ピエロ」にもフライヤー役で出演を果たしている。
主な受賞歴に、北條賞(「女優」の長野市会議員役にて受賞)などがある。
神奈川県川崎市内にある病院にて死去。死因は、大腸癌であった。84歳。死去の事実は、葬儀などが近親者にて執り行われたあと、亡くなって10日近くが経過してから明らかとなり、各メディアが一斉に報じた。2015年9月に新橋演舞場の「有頂天旅館」にて演じた漬物屋主人役および客木村役が俳優として最後の姿となった。