(ほうしょうかん)
能楽師。能楽師ワキ方宝生流。人間国宝。紫綬褒章受章者。文化功労者。父親は、同じくワキ方下掛宝生流の能楽師である宝生弥一(ほうしょうやいち)。長男は、同じく能楽師である宝生欣哉(ほうしょうきんや)。
1934年、東京府(現在の東京都)生まれ。ワキ方下掛宝生流の能楽師である松本謙三や父親である宝生弥一に師事しながら芸を磨き、1941年、「葵上」(あおいのうえ)で7歳にして初舞台を踏む。以後、ギリシア悲劇「オイディプース王」や能楽「隅田川」など、数々の舞台にて活躍したほか、1978年1月から12月にかけてNHK(日本放送協会)にて放送された大河ドラマ「黄金の日日」では、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将、清水宗治役で出演も果たしている。
演劇や音楽、美術、さらには文芸などを含む芸術のさまざまなジャンルにおいて類まれなる実績を残し、優れた貢献を果たした人物を優遇・顕彰するための国立アカデミーかつ文化庁特別機関である「文化芸術院」の会員でもある。そのほか、一般社団法人日本能楽会常務理事、公益社団法人能楽協会常務理事などの要職も歴任した。
主な受賞歴に、観世寿夫記念法政大学能楽賞、日本芸術院賞などがある。
死因は、食道癌であった。81歳。