（まつやまぜんぞう）
映画監督・脚本家。紫綬褒章・勲四等旭日小綬章受章者。
兵庫県神戸市に生まれ、神奈川県横浜市に育ち、医者を目指して岩手県紫波郡にある岩手医学専門学校（現在の岩手医科大学）に入学するという経緯を持つ。しかしながら中退し、興味があった映画に関わりたいとの気持ちから、1948年に松竹株式会社の助監督公募を経て入社。その後、1954年に、小説家・劇作家である川口松太郎の作品を原作とした「荒城の月」で脚本家デビュー。さらに1961年、第二次世界大戦終戦後における視覚障碍者夫婦の困難を実話に基づいて描いた「名もなく貧しく美しく」で監督デビュー。以後、さまざまな作品を手掛けた。
代表的に作品には、上述した「荒城の月」や「名もなく貧しく美しく」を始め、「美わしき歳月」「黒い河」「あなた買います」「人間の條件」「忘れえぬ慕情」「好人好日」「ぶらりぶらぶら物語」「戦場にながれる歌」「われ一粒の麦なれど」「沈丁花」「六條ゆきやま紬」「日本万国博覧会 」「お嫁においで」「恍惚の人」「ふたりのイーダ」「野獣狩り」「潮騒伝説」「人間の証明」「虹の橋」「典子は、今」「泣きながら笑う日」「ホーム・スイートホーム」「新しい風 – 若き日の依田勉三」「親分はイエス様」などがある。
主な受賞歴に、日本アカデミー賞（優秀脚本賞）、ブルーリボン賞（脚本賞）毎日映画コンクール脚本賞などがある。
東京都内にある自宅にて死去。死因は、老衰であった。91歳。
