三谷昇

(みたにのぼる)
俳優・声優。東京藝術大学への進学を志していたこともあり(希望は叶わず)、スケッチや紙芝居などを創作するといった芸術家としての顔も持つ。

株式会社文学座が運営する劇団「文学座」への所属などを経て、映画やテレビドラマなどで活躍する俳優へとキャリアを進める。しかしながら1961年、29歳のときに交通事項によって片目を失明するという不運に見舞われる。それでも1963年に「劇団雲」を立ち上げるなど、役者として積極的な活動を続けた。

代表的な出演映画には、伊丹十三が監督を務め、その妻である宮本信子のほか、大地康雄、村田雄浩らが出演した暴力団をテーマとする映画「ミンボーの女」(1992年)を始め、黒澤明監督・脚本、頭師佳孝・菅井きんらが出演した1970年の映画「どですかでん」などがある。また、テレビドラマでも、「ウルトラマンタロウ」「Gメン’75」「特捜最前線」「太陽にほえろ!」など、数多くのヒット作にて活躍した。

上述した作品のほかに出演した映画には、「若者はゆく」「高校さすらい派」「女生きてます」「旅の重さ」「潮騒」「恋人って呼ばせて」「軍旗はためく下に」「仁義の墓場」「青い山脈」「だましの仁義」「犬神家の一族」「太陽は泣かない」「宇宙からのメッセージ」「悪魔が来りて笛を吹く」「鬼畜」「黄金の犬」「トラック野郎・熱風5000キロ」「ミスターどん兵衛」「翔んだカップル」「ラブレター」「夏の秘密」「探偵物語」「誘拐報道」「上海バンスキング」「居酒屋兆治」「積木くずし」「熱海殺人事件」「子象物語」「紳士同盟」「メイク・アップ」「ビー・バップ・ハイスクール – 高校与太郎音頭」「ブンナよ、木からおりてこい」「はぐれ刑事純情派」「あ・うん」「飛ぶ夢をしばらく見ない」「釣りバカ日誌3」「私を抱いてそしてキスして」「パラサイト・イヴ」「静かな生活」「おもちゃ」「赤い橋の下のぬるい水」「どら平太」「イン・ザ・プール」「同じ月を見ている」「その夜の侍」「TOKYOてやんでぃ」「蜃気楼の舟」などがある。

また、上述以外で出演したテレビドラマには、「ザ・ガードマン」「徳川家康」「源義経」「おれは男だ!」「キイハンター」「気になる嫁さん」「プレイガール」「おこれ!男だ」「アイフル大作戦 」「ママはライバル」「追跡」「バーディー大作戦」「剣と風と子守唄」「歯止め」「燃える捜査網」「怪人二十面相」「気まぐれ天使」「銭形平次」「俺はあばれはっちゃく」「大江戸捜査網」「探偵物語」「ぼくら野球探偵団」「天才画の女」「爆走!ドーベルマン刑事」「噂の刑事トミーとマツ」「宇宙刑事ギャバン」「意地悪ばあさん」「女優殺し」「能登半島殺人事件」「深川通り魔殺人事件」「誇りの報酬」「迷宮課刑事おみやさん」「ジャングル」「セーラー服反逆同盟」「魔法少女ちゅうかないぱねま!」「愛しあってるかい!」「さすらい刑事旅情編III」「影武者徳川家康」「夜桜お染」「水戸黄門」「ふたつの祖国」「復讐するは我にあり」「素浪人・月影兵庫」などがある。

そのほか、「もーいいかい・まーだだよ」「夜叉ヶ池」「榎本武揚」「おたまじゃくしはかえるのこ」「帰ってきたピノッキオ」「トラップストリート」「オイディプス王」「ワニを素手でつかまえる方法」「ガス人間第1号」「エンドゲーム」「血は立ったまま眠っている」などの舞台や、声優として、「プリンセスチュチュ」「クジラの跳躍」「千夜一夜物語」などのアニメーションにおけるキャラクター役(声)、「メン・イン・ブラック2」「エンド・オブ・デイズ」といった海外映画の吹き替えなどでも活躍した。

主な受賞歴に、紀伊國屋演劇賞(男優賞)などがある。

死因は、慢性心不全急性憎悪であった。90歳。

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