（はせがわたけひこ）
実業家・企業家・技術者。静岡県磐田市に本社を構える世界的な輸送用機器メーカー、ヤマハ発動機株式会社にて代表取締役社長を務めていたことで知られている。旭日中綬章受章者。
1931年、愛知県名古屋市に生まれ、名古屋大学を卒業後、1954年にヤマハ技術研究所へ入社。1958年にヤマハ発動機株式会社へ転籍し、オートバイのエンジン開発などに関わる。1966年、35歳となる年に初代自動車部長としてトヨタ自動車と提携し、現在でも名車として語り継がれているスポーツカー「トヨタ2000GT」を共同開発。そのほか、電動機付自転車（スクーター）である「パッソル」の開発などにも携わった。
1979年には、37歳という若さで常務取締役に就任し、引き続き開発分野のエースとして活躍。1983年、本田技研工業とのオートバイ販売競争（いわゆる「HY競争」）に完敗したとして責任を取り退社、ヤマハグループである三信工業（現在のヤマハマリン株式会社）の社長に就任。同社では、リストラの敢行や人員配置などにより財務体質を改善し、業績を向上させた。
1987年に再びヤマハ発動機に呼び戻されて専務取締役に就任、1994年に代表取締役社長となり、「感動創造経営」という21世紀に向けた企業理念を掲げて大躍進を遂げた。2001年に代表取締役会長へ退き、同社が初めて売上高1兆円を突破した2003年には顧問に就任した。
著書に、「感動創造 – 技術者として、経営者として」など。
死因は、老衰であった。92歳。
