(おおやまのぶよ)
女優・声優・歌手・タレント・エッセイスト・脚本家。同じく俳優・タレントであった砂川啓介の妻(2017年死別)。国民的人気アニメ「ドラえもん」における主人公ドラえもんの声を、1979年から2005年まで26年間の長きに渡って務めていたことで知られている。
1933年、東京府東京市(現在の東京都渋谷区)生まれ。名前を呼ばれて返事をすると周囲が振り返るほど幼少時代から個性的な声を持っており、これがのちのドラえもんの声に活かされていることは明白である。当初は女優を目指して東京都港区にある俳優座養成所に入所し、1956年、日本放送協会(NHK)で放送されたテレビドラマ「この瞳」にてデビューを果たす。一方で独特の声質を買われ、1957年のテレビアニメ「名犬ラッシー」への出演をきっかけに、1960年代頃から声優としての仕事が増えてくるようになった。以後、テレビアニメを中心に数々のキャラクターの声を担当。
2001年、直腸癌を患い、ほとんどの仕事を降板。「ドラえもん」だけは、スタッフの説得により体調を最大限考慮しながら続けることとなる。しかしながら2005年、スタッフとの話し合いの末、体調を優先してついに「ドラえもん」も降板することとなった。2012年にはアルツハイマー型認知症との診断を受け、以後、公の場に姿を現すことが極端に少なくなる。2016年、夫であった砂川啓介が尿管癌を患い、治療に専念することをきっかけに、老人ホームに入所。事実上、芸能活動はこれで終了となった。
声優として出演した主なテレビアニメには、最大の代表作である「ドラえもん」を始め、「サザエさん」(初代として磯野カツオの声を務めた)、「黄金バット」「リボンの騎士」「妖怪人間ベム」「巨人の星」「けろっこデメタン」「のらくろ」「ハゼドン」「ハクション大魔王」「国松さまのお通りだい」などがある。そのほか、「ドラえもん」シリーズを中心に、劇場アニメへの出演も多数。
女優として出演したテレビドラマには、上述のデビュー作「この瞳」を始め、「不道徳教育講座」「じゃがいも」「おさな妻」「やっちゃば育ち」「水戸黄門」「江戸を斬る」「熱中時代」「花よめは16歳」「母と呼ばれて」「高原へいらっしゃい」「結婚する手続き」「妻たちの危険な関係」「理由」「探偵・左文字進」など。
そのほか、「ねらわれた学園」「子象物語 – 地上に降りた天使」などの映画、「クイズ面白ゼミナール」「お笑いスター誕生!!」「午後は○○おもいッきりテレビ」「クイズ☆タレント名鑑」「中井正広のブラックバラエティ」「笑っていいとも!」「夕食ばんざい」「トリビアの泉」「ほのぼのワイド」などの情報・クイズ・バラエティ番組、「カネヨン」「小僧寿し」といったテレビCMなどでも活躍。さらに、歌手、エッセイスト、脚本家など、その活動の場は極めて幅広かった。
主な受賞歴に、放送ウーマン賞(旧名称:日本女性放送者懇談会賞(SJ賞))、東京国際アニメフェア功労賞、アニメーション神戸特別賞などがある。また、当人が歌ったドラえもん関連のレコードがミリオンセラーとなった際には、日本コロムビア・ゴールドディスクを受賞している。
大山のぶ代 死因
死因は、老衰であった。90歳。死去の事実は、亡くなって2週間近くが経過したのち、所属事務所である「アクターズ・セブン」により発表され、各種メディアによって一斉に報じられた。