（さよふくこ）
女優・歌手。宝塚歌劇団卒業生（元タカラジェンヌ）。「りんごちゃん」「イイダ」といった愛称を持つ（「イイダ」の愛称は、結婚前の旧姓が「飯田」だったためである）。宝塚歌劇団の演出家を務めていた東郷静男の妻。ジャズシンガーである東郷輝久の母。
宝塚歌劇団では月組組長を務め、男役スターとして人気を博した。1940年には、シングル曲「小雨の丘」にて歌手デビューも果たしたが、人気絶頂の1942年に宝塚歌劇団を退団。結婚・出産を経て、1943年より女優として復帰した。井上梅次が監督を務め、1957年に公開された「嵐を呼ぶ男」では、主役を演じた石原裕次郎の母親役を見事に演じたことでも知られている。
宝塚歌劇団時代に出演した舞台には、「花王丸」「角移し」「湖水の妖女」「喧嘩は止めろ」「均一タクシー」「イタリヤーナ」「公時手柄ばなし」「ベース・ボール」「トンミーの夢」「小野道風」「巷談日本妖怪選」「シンデレラ」「近代三銃士」「とんだ間違ひ」「フービーガール」「八犬傳」「巴里ニューヨーク」「ラヴリイラーク」「ロミオとジュリエット」「トウランドット姫」「モオンブルウメン」「火坑」「ミュージック・アルバム」「マグノリア」「気まぐれジュリア」「モンテクリスト伯爵」「寶塚フォーリーズ」「たからじぇんぬ」「荒城の月」「マーチ・オン・タイム」「すめらみくに」「我等の旅行記」「宝塚花物語」「美と力の讃歌」「東へ帰る」などがある。
出演した映画には、上述した「嵐を呼ぶ男」のほか、「肉体の門」「満月城の歌合戦」「銭形平次捕物控」「レ・ミゼラブル あゝ無情（シリーズ）」「犬神家の謎・悪魔は踊る」「夜明け前」「原爆の子」「銀心中」「病妻物語」「秋津温泉」「白鷺」「ギャングの肖像」「華麗なる一族」「男はつらいよ – 寅次郎恋やつれ」「風立ちぬ」「永遠の1/2」など。
出演したテレビドラマには、「女の幸福」「親子灯籠」「ふたりばっち」「ここに人あり」「ガールフレンド」「風吹きすさみ」「雑草の歌」「ひばり」「母と子」「平和な物語」「肉まんじゅう」「おかあさん」「帰郷」「クリミヤの灯りは消えず」「六人のおくりもの」「おやじ太鼓」「笑う男」「わが子は他人」「おやじ山脈」「水戸黄門」「出雲の阿国」「ガッツジュン」「大奥」「華麗なる一族」「ひろしの歌がきこえる」「ダウンタウン物語」「Gメン’75」「妻の日の愛のかたみに」「老熟家族」などがある。
死因は、心不全であった。80歳。晩年は、入院の上、闘病生活を送っていた。
