澤孝子

(さわたかこ)
浪曲師。教育家・元陸上アスリートで、スペイン国立フェリペII世大学教授やマドリード日本人学校の校長を務めた加瀬忠の姉。東京で活躍する浪曲師や曲師が加盟する協会である一般社団法人日本浪曲協会(通称日浪協、もしくは単に浪協)の会長(第17代)や、演芸連合副委員長などを歴任した。

1954年に広澤菊春(2代目)に入門、その後3ヵ月を待たずに横須賀市衣笠小学校にて行われた「恋慕月夜」の公演によって初舞台を踏み、「広澤菊奴」を名乗る。以後、広澤菊春の妹弟子である梅中軒園子一行へ参加するなど修行を重ねながらキャリアを積む。1961年、澤孝子に改名、マネージャーに三笠節子を置き、全国を巡回することによってその名を知らしめた。弟子に、澤恵子・澤順子・広沢菊春(3代目)らがいる。

受賞歴に、NHK浪曲新人コンクール最優秀賞(1973年)や、文化庁芸術祭優秀賞(1982年)などがある。数々の実績をバックに、2008年、日本浪曲協会の会長に就任。2012年までの4年間(2期)を務めあげた。

主な出演作品に、上述した「恋慕月夜」の他、「からかさ桜」「徂徠豆腐」「一本刀土俵入り」「渡辺崋山」「花のお七」「花の木曽殿」「羅生門の盗賊たち」「吉岡弥生先生伝」「壷坂霊験紀」「吉良上野介の妻」「赤い夕日」「澪つくし」「春よ来い」「こころ妻」「藤吉郎の花嫁」「春日局」「二十三年」「雪おんな」「出発」「滝の白糸」「幽霊貸し家」「大新河岸の母子河童」「南総里見八犬伝」「おとみ与三郎」「たけくらべ」「酔月情話」「いちしえの花の女」などがある。

病院にて死去。死因は、脳出血であった。82歳。自宅にて倒れているのを親族が発見し、病院に緊急搬送されたが、2日後に亡くなったという。

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