石井隆

(いしいたかし)
映画監督・脚本家・漫画家・劇画作家。「出木英杞」のペンネームで活動していた時期もある。

早稲田大学商学部の在学中より、シナリオ研究会や映画研究会に所属する傍ら、雑誌記事のライティングといった仕事をこなしていた。卒業後に劇画漫画家としてデビュー、以後、少年画報社の月刊漫画雑誌「ヤングコミック」に作品が掲載されるなど、着々とキャリアを重ねた。1977年には、連作劇画「天使のはらわた」が大ヒットを記録し、映画化に至る。この作品はシリーズ化され、2作目より当人が脚本も手掛けることとなった。その後、1988年には同シリーズの「天使のはらわた 赤い眩暈」にて監督デビューも果たす。

監督や脚本を手掛けた主な映画には、上述した「天使のはらわた」シリーズを始め、「月下の蘭」「ヌードの夜」「死んでもいい」「GONIN」「GONIN2」「GONIN サーガ」「フリーズ・ミー」「黒の天使」「TOKYO G.P.」「花と蛇」「フィギュアなあなた」「甘い鞭」「少女木馬責め」「沙耶のいる透視図」「ラブホテル」「ルージュ」「赤い縄」「魔性の香り」「夢犯」「ガッデム!!」「ちぎれた愛の殺人」などがある。なお、その多くにおいて、原作も手掛けている。その他、テレビドラマ・DVD作品・ミュージックビデオなど、幅広い分野において制作を手掛けた。

漫画作品には、「出木英杞」名義で発表された「淫花地獄」を始め、「赤い教室」「名美」「イルミネーション」「横須賀ロック」「黒の天使」「おんなの街」「少女名美」「愛の行方」「夜に頬よせ」「ラストワルツ」「月物語」「雨物語」「赤い夜」「魔樂」「甘い夜」「夜よ、ふるえて」「曼珠沙華」「カンタレッラの匣」名美・イン・ブルー」などがある。

受賞歴に、ヨコハマ映画祭脚本賞、キネマ旬報脚本賞、にっかつロマン大賞(特別賞)、おおさか映画祭脚本賞、トリノ国際映画祭審査員特別賞、ギリシャ・テッサロニキ国際映画祭最優秀監督賞、高崎映画祭最優秀作品賞など。その他、「サンダンス・フィルム・フェスティバル・イン・トーキョー」(1994年)において、「ヌードの夜」でグランプリも獲得している。

自宅にて死去。死因は、癌であった。75歳。晩年は、周囲にも内緒で闘病生活を送っていたという。

タイトルとURLをコピーしました