ヴァンゲリス

音楽家・シンセサイザー奏者・キーボーディスト・ミュージシャン・作曲家(ギリシャ)。様々なキーボードやシンセサイザーを駆使し、幻想的な音楽を奏でることで知られているが、実はドラムスやギターなども操るマルチプレイヤーでもある。

日本では、高倉健主演、蔵原惟繕監督で、タロとジロの兄弟犬を中心にそりを引く犬たちの苦難と南極観測隊の葛藤を描いた1983年の映画「南極物語」の音楽を手掛けたことで特に有名。メインテーマから、劇中に流れる数々の音楽を担当し、そのアルバム(サウンドトラック)はオリコンチャートでも27位を記録するなどヒットした。

その他、大航海時代の探検家であるクリストファー・コロンブスの生涯を描いた「1492 コロンブス」や、ハリソン・フォードが主役を演じ、リドリー・スコットが監督を務めたSF映画「ブレードランナー」など、数々のヒット映画で音楽を担当し、世界的に活躍した。シンプルで美しいそのメロディは、一度耳にするだけで強く印象に残り、聴く者を魅了する。上述の通り幻想的なシンセサイザー音楽が中心だが、ロックからポップスまで、ジャンルを超越した幅広い音楽を生み出す。

膨大な作品群の中より一部を紹介すると、上述した「南極物語」「1492 コロンブス」「ブレードランナー」の他、「アース」「Rain and Tears(雨と涙)」「天国と地獄」「螺旋」「ショート・ストーリーズ」「炎のランナー」「Mythodea」「野生の祭典」「霊感の舘」「野生」「大地の祭礼」「マスク」「ダイレクト」「シティ」「ヴォイシズ」「エル・グレコ」「アレキサンダー」「オデッセイ」「ロゼッタ」「ジュノー・トゥ・ジュピター」「ページ・オブ・ライフ」「ノクターン」など。枚挙に暇がなく、とてもではないが全ては紹介しきれない。なお、「炎のランナー」は、ビルボードで全米1位を記録した他、アカデミー賞(オリジナル作曲賞)を受賞している。

その他、数々のアーティストとの共作や楽曲提供、サポート、舞台音楽などに加え、抽象画作品を中心に画家としても活動し、個展を開催するなど、その活躍の幅は広大であり全てをここに書き切れるものではない。

病院にて死去。死因は、病気であると思われるが、直接の死因となった病名などは明確にされていない。79歳。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療を受けていた病院で亡くなったことから、同感染症との関連が深い可能性もある。

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