黒澤明

(くろさわあきら)
映画監督・映画プロデューサー・脚本家。言わずと知れた「世界のクロサワ」。国際的にも高い人気を集める数々の名作映画を生み出した、戦後日本を代表する映画界の巨匠。トレードマークであるサングラスをかけ、キャプテンハットをかぶったその姿は、世界中の映画ファンの目に焼き付いている。俳優・タレント・歌手である黒澤久雄、及び衣装デザイナー・エッセイストである黒澤和子の父。なお、「黒沢明」と表記されることも多い。

映画界の人物としては初めての文化勲章受章者。文化功労者。従三位受位者。国民栄誉賞受賞者。その他、ユーゴスラビア国旗勲章、イタリア共和国功労勲章、フランス芸術文化勲章、レジオン・ドヌール勲章、ソ連民族友好勲章なども受章している。

受賞歴には、アカデミー賞(外国語映画賞・名誉賞)を始め、日本アカデミー賞(協会栄誉賞、最優秀脚本賞)、ブルーリボン賞(監督賞、作品賞、脚本賞、特別賞)、ゴールデン・アロー賞(特別賞)、ベルリン国際映画祭(ベルリン市政府特別賞、監督賞、国際映画批評家連盟賞)、ヴェネツィア国際映画祭(金獅子賞、銀獅子賞、栄誉金獅子賞、サン・ジョルジョ賞)、カンヌ国際映画祭(パルム・ドール)、ロサンゼルス映画批評家協会賞(生涯功労賞、外国語映画賞)、全米映画批評家協会賞(作品賞)、英国アカデミー賞(監督賞、外国語作品賞)、ナストロ・ダルジェント賞(外国監督賞)、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞(外国監督賞)、ボストン映画批評家協会賞(作品賞)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞など。その他、朝日文化賞、国際交流基金賞、福岡アジア文化賞、高松宮殿下記念世界文化賞、ジャパン・ソサエティー賞など、枚挙に暇がない。

主な監督作品に、「姿三四郎」「羅生門」「椿三十郎」「天国と地獄」「赤ひげ」「どですかでん」「七人の侍」「生きる」「わが青春に悔なし」「影武者」「乱」「夢」「まあだだよ」「悪い奴ほどよく眠る」「静かなる決闘」「醉いどれ天使」「素晴らしき日曜日」「用心棒」「醜聞」などがある。意外にも、彼自身が自作と認めている監督作品は、ここに挙げたものを含めて、30本のみである。なお、30本すべてにおいて脚本も手掛けた他、うち16本で俳優である三船敏郎を起用している。

脚本を手掛けたその他の作品には、「青春の気流」「殺陣師段平」「戦国群盗伝」「阿片戦争」「愛と憎しみの彼方へ」「ジャコ萬と鉄」「トラ・トラ・トラ!」「暴走機関車」「戦国無頼」「土俵祭」「四つの恋の物語」「地獄の貴婦人」「あすなろ物語」「雨あがる」「海は見ていた」「どら平太」「日露戦争勝利の秘史」「ジャコ萬と鉄」「暁の脱走」などがある。

また、プロデュースなどで関わった作品に、「美しき鷹」「馬」「五十万人の遺産」「忠臣蔵」「のんき横丁」「野良犬」「綴方教室」などがある。その他、サントリーの「スペシャルリザーブ」やパナソニックの「ドリーム」といったテレビCMにも出演した。

著書に、「悪魔のように細心に!天使のように大胆に!」「黒沢明映画大系」「蝦蟇の油 自伝のようなもの」「何が映画か」「黒澤明語る」「乱」「まあだだよ」「夢」「「七人の侍」創作ノート」などがある。

自宅にて死去。死因は、脳卒中であった。88歳。

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