ホルスト・シュタイン

指揮者(ドイツ)。ドイツ連邦共和国の南部に位置するバイエルン州・バンベルクに本拠を構えるオーケストラ「バンベルク交響楽団」の終身名誉指揮者。

生まれはドイツ西部、ライン川沿岸にあるラインラント地方の工業都市エルバーフェルト(現・ヴッパータール市)である。この地は、ギュンター・ヴァントやハンス・クナッパーツブッシュなど、著名な指揮者を多く輩出している。ケルン音楽大学などで学んだあと、ヴッパータール市立劇場合唱指揮者、ハンブルク州立歌劇場指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンやヨーゼフ・カイルベルトらのアシスタントなどを経て、1963年にマンハイム国立劇場の音楽監督に就任。

以後、ウィーン国立歌劇場第一指揮者、ハンブルク州立歌劇場音楽総監督、さらには日本でもNHK交響楽団名誉指揮者に就任するなど、世界的な活躍を次々と展開。バンベルク交響楽団では首席指揮者となったが、1996年に病気を理由に辞任、終身名誉指揮者の称号を贈られた。今日に至るまで、ワーグナー・オペラにおけるスペシャリストとして、後に続くワーグナー指揮者の礎を築いたことには誰もが異論の余地はない。

指揮を務めた際の主な録音には、ベートーヴェン・ピアノ協奏曲(ウィーン・フィル)やブルックナー・交響曲第6番(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)、ブラームス・シューベルト交響曲全集(バンベルク交響楽団)などが残っている。

自宅にて死去。死因などの詳細は明らかになっていない。80歳。晩年は体調を崩しがちで、1999年の「プラハの春」音楽祭や、2000年のマンハイム国民劇場管弦楽団のコンサートでは、客演中に倒れてしまう。以後、活動は休止状態となっており、その消息が心配されていた。

タイトルとURLをコピーしました