戸塚洋二

(とつかようじ)
物理学者・理学博士。東京大学特別栄誉教授。静岡県の東部に位置する吉原市(現在の富士市)出身で、同市の名誉市民でもある。文化勲章受章者。文化功労者。

物理学、特に素粒子物理学やニュートリノ天文学の権威として、東京大学理学部教授、同大学宇宙線研究所教授、同大学宇宙線研究所長、神岡宇宙素粒子研究施設長、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所教授、同機構長などの要職を歴任した。

1998年に、岐阜県飛騨市神岡町旧神岡鉱山内にある世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ」(Super-K)で、素粒子の中性レプトンであるニュートリノの質量がゼロではない(質量を持つ)ことに起因して発生する「ニュートリノ振動」を史上初めて確認したことで世界的に有名。

世界的に著名な物理学者・天文学者・理学博士である小柴昌俊に師事し、ノーベル賞の受賞も期待されていたが、叶わなかった。しかしながら2015年、同じく小柴昌俊の門下生で、ニュートリノ物理学者である梶田隆章がノーベル物理学賞を受賞、戸塚氏に代わって悲願を達成した。

著書に、「現代の宇宙像 – 我が太陽と太陽からのニュートリノ」「現代の物理学・素粒子物理」「地底から宇宙をさぐる」「陽子はこわれるか」「新しい宇宙の探求(共著)」などがある。

受賞歴に、仁科記念賞、井上学術賞、朝日賞、藤原賞、アメリカ天文学会・ブルーノロッシ賞、アメリカ物理学会・パノフスキー賞、ヨーロッパ物理学会特別賞、トムソン・ロイター引用栄誉賞、ブルーノ・ポンテコルボ賞、ベンジャミン・フランクリン・メダルなど、多数。

死因は、直腸癌であった。66歳。

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