遠山一

(とおやまはじめ)
音楽家・声楽家・歌手。男性コーラスグループ(重唱団)の草分けとして名高い「ダークダックス」(時期により「ダーク・ダックス」の表記あり)の元メンバー。担当は、バスの音域。最後の生存メンバーとして、「ゾウさん」の愛称で親しまれていた。紫綬褒章受章者。

「ダークダックス」は、1951年に慶應義塾大学経済学部出身のメンバー3名で結成され、後に1名が加入し4人グループとなった。歌うジャンルは幅広く、日本の叙情歌を始め、ジャズ・ゴスペルからロシア民謡にまで及び、心地良いハーモニーで数々のヒット曲を生み出した。日本で最長の活動を誇るボーカルグループとして、ギネスにも登録されている。

その他の受賞歴に、文部省芸術祭(奨励賞・優秀賞)、モービル児童文化賞、日本レコード大賞(企画賞・編曲賞・特別賞・功労賞)、日本作詩大賞(LP賞・優秀作品賞)、日本作曲大賞特別賞、ギャラクシー賞、朝日広告賞特別賞、芸術選奨文部大臣賞など多数。NHKの年末恒例イベント「紅白歌合戦」には、15回の出場歴がある。

主な発表曲に、「ダークダックス」の代名詞とも言える作品「銀色の道」を始め、「ともしび」「トロイカ」「つる」「赤いサラファン」「クラリネットをこわしちゃった」「白銀は招くよ」「アンジェリータ」「エーデルワイス」「愛のソナタ」「あんな娘がいいな」「森の熊さん」「花のメルヘン」「山男の歌」「最上川舟唄」「二十二歳まで」「めざせモスクワ」「ガラスのうさぎ」「歌声が聞こえる」「青葉城恋唄」「北の大地」「青春」「旅立ちの日に」「もしも・ひろしまに」「グラスをのぞくフラミンゴ」など多数。そのレパートリーは優に数千曲に達すると言われている。

「殿さま弥次喜多」などの映画や、「歌おう世界の友よ」「8時だョ!全員集合」「家族で選ぶにっぽんの歌」「ふたりのビッグショー」「思い出のメロディー」「スタジオパークからこんにちは」などのテレビ番組、「東芝」「象印マホービン 」「ライオン」「アメリカン・エキスプレス」といったCMなどでも活躍した。

著書に、「東京横浜おいしい喫茶と甘党の店」「ダークの世界よちよち歩き」などがある。

死因は、慢性心不全及び老衰であった。93歳。

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