元永定正

(もとながさだまさ)
画家・絵本作家・芸術家。前衛美術(主として抽象絵画とシュルレアリスムを意味するアヴァンギャルドな美術)を代表する作家として海外でも有名。紫綬褒章・勲四等旭日小綬章受章者。

1922年、三重県の阿山郡・上野町桑町(現在の三重県伊賀市・上野)に生まれ、上野商業学校を卒業後、日本国有鉄道(通称「国鉄」、現在のJRグループ)への勤務などを経て、洋画家である濱邊萬吉に師事。芸術家としての道を歩み始める。当時は漫画家も目指しており、雑誌などにおいて連載も抱えていた。その後、美術教室へ通うなどして腕を磨きながら、絵画・写真・彫刻などの作品を生み出すようになる。1950年代半ば頃からは、兵庫県芦屋市で開催されていた「芦屋市展」に多くの作品を出展。また、1970年からは絵本製作も手掛けるようになった。絵本デビューは英文で綴られた1973年刊行の「ポアン・ホワンけのくもたち」。

絵本作家としての主な著作には、上述した「ポアン・ホワンけのくもたち」を始め、「がちゃがちゃどんどん」などがある。また、絵を担当した主な作品(絵本)には、「もこもこもこ」(著者:谷川俊太郎)や、「もけらもけら」(著者:山下洋輔)などがある。

造形作家・グラフィックデザイナー・絵本作家である中辻悦子の夫であり、夫婦共同での活動や作品も数多い。有名な共作として、1995年に発生した阪神・淡路大震災による被害からの復興を祈念するモニュメント「ゆめ・きずな」(2001年制作)がある。当作品は巨大なアスレチックタイプの遊具となっており、その全長は30mに達する。

主な受賞歴に、兵庫県文化賞、日本芸術大賞、フランス・芸術文芸シュバリェ賞、大阪芸術賞、三重県民功労賞文化賞などがある。

兵庫県宝塚市にある病院にて死去。死因は、前立腺癌であった。88歳。

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