市原悦子

(いちはらえつこ)
女優・声優。1983年から2008年までの長きに渡り、テレビ朝日系列の土曜ワイド劇場で放送されていた人気テレビドラマ「家政婦は見た!」シリーズで主演を張ってきたことで特に有名。東京都渋谷区に本社を構える芸能事務所「有限会社ワンダー・プロダクション」に所属していた。

上述の「家政婦は見た!」シリーズを始め、出演したテレビドラマには、「おはなはん」「勝海舟」「御宿かわせみ」「ふたりでタンゴを」「風子のラーメン」「愛と死のかたみ」「オパールとサファイア」「ニッポン親不孝物語」「ダウンタウン物語」「私は貝になりたい」「妻の定年・私は狙われている」「突然、夫に死なれて」「ラブレター」「テレホンママ」「虫は死ね」「パンとあこがれ」「いごこち満点」「わが母は聖母なりき」「女橋」「お鏡」「ハンチョウ」「一年半待て」「バスガイド愛子(シリーズ)」「弁護士高見沢響子(シリーズ)」「ホームドクター・神村愛(シリーズ)」「木枯し紋次郎」「銭形平次」「ぶらり信兵衛」「母の手紙」「瑠璃の爪」「カナリヤの唄殺人事件」「大丈夫です、友よ」「いじわるばあさん」「頑張れ!かあちゃん」「氷点」「お気に召すまま」「非情のライセンス」「お待ちどおさま」「翔べ!必殺うらごろし」「時間よ、とまれ」「キャットショー連続殺人」「東京メグレ警視(シリーズ)」「特命刑事ザ・コップ」「外科病棟女医の事件ファイル」「点と線」「刑事110キロ」「宮本武蔵」「赤い月」「犯罪交渉人ゆり子」など、枚挙に暇がない。

出演した映画には、「女殺し油地獄」「雪国」「男性飼育法」「暗夜行路」「珍品堂主人」「笛吹川」「大空の野郎ども」「喜劇・にっぽんのお婆あちゃん」「ぶらりぶらぶら物語」「乳房を抱く娘たち」「夢で逢いましょ」「われ一粒の麦なれど」「にっぽん泥棒物語」「甘い汗」「三匹の狸」「他人の顔」「燃えつきた地図」「富士山頂」「風林火山」「恋にめざめる頃」「木枯し紋次郎・関わりござんせん」「金閣寺」「八つ墓村」「幸福」「高瀬舟」「序の舞」「ふるさと」「一杯のかけそば」「うなぎ」「黒い雨」「バルトの楽園」「しゃぼん玉」「あん」「翔んで埼玉」などがある。

出演した舞台は、「りこうなお嫁さん」「血の花」「巨人伝説」「生きた心を」「ものみな歌でおわる」「ハムレット」「日本の幽霊」「クルヴェット天から舞いおりる」「東海道四谷怪談」「棒になった男」「自由少年」「あなた自身のためのレッスン」「津軽三味線ながれ節」「夏の夜の夢」「近松心中物語」「元禄港歌」「きぬという道連れ」「奇跡の人」「雪やこんこん」「ゴドーを待ちながら」「芽キャベツがほしい・もう一度だけ」「その男ゾルバ」「あらしのよるに」「ゆらゆら」「ヒカルヒト」「紅いリンゴ」「GODIEGO」など、多数。

出演したバラエティ番組やトーク番組、情報番組には、「笑っていいとも!」「徹子の部屋」「はなまるマーケット」「さんまのまんま」「ライオンのごきげんよう」「おもいッきりイイ!!テレビ」「BISTRO SMAP」「サワコの朝」「鶴瓶の家族に乾杯」「スタジオパークからこんにちは」「女ひとり旅」などがある。

また、「岩谷産業」「小林製薬」「味の素」「ケンタッキーフライドチキン」「東京電力」「ダイドードリンコ」「ヤマダイ」「森永製菓」「サントリー」「白元」「ソフトバンクモバイル」「花王」「イオン」など、数々の著名企業や著名ブランドのテレビCMでも活躍した。

さらに、俳優仲間らからも高く評価される声質を活かし、声優としても活躍した。特に、毎日放送(MBS)などが共同制作の上、各局で長きに渡って放送されていた人気テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」における大半の登場人物やナレーションを担当していたことで有名だが、それ以外にも「ミヨリの森」「ごんぎつね」「ちびっ子レミと名犬カピ」「サイボーグ009・怪獣戦争」「あらしのよるに」「エンジェルがとんだ日」「君の名は。」などのテレビアニメ・劇場アニメでさまざまなキャラクターを務めた。

著書に、「ひとりごと」「市原悦子の大アマゾン紀行」「やまんば/女優市原悦子 43人と語る」「白髪のうた」などがある。

主な受賞歴に、日本アカデミー賞(最優秀助演女優賞、優秀助演女優賞)を始め、芸術祭賞(芸術祭奨励賞)、紀伊國屋演劇賞(個人賞)、ゴールデン・アロー賞(新人賞)、読売演劇大賞(優秀助演女優賞、優秀女優賞)、橋田賞(特別賞)、都民文化栄誉賞、山路ふみ子映画賞、新劇新人推賞、新劇演技賞、放送文化基金賞など、多数。

東京都内にある病院にて死去。死因は、心不全であった。82歳。前年末に盲腸のため入院していたが、投薬治療により回復し、自宅に戻っていた。しかしながら年明けに再び体調を崩し、改めて入院。1週間後に亡くなってしまった。

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