財津一郎

(ざいついちろう)
俳優・歌手・コメディアン。テレビプロデューサーである財津功の父。俳優である財津優太郎の祖父。

劇団「ムーラン」や「宝塚新芸座」など、数々の劇団で舞台を中心に活躍後、1964年に吉本興業の劇団「宝塚新芸座」に参加。1965年には座長に就任するなど、着々とキャリアを積む。1969年に吉本興業を退社、東京に拠点を移しながら数々の映画やテレビドラマに出演。「~してちょうだい!」「ひっじょーにきびしーっ!(非常に厳しい)」といったギャグでお茶の間の人気を博した。

近年は、「ピアノ売ってちょうだーい」のセリフでお馴染み、「タケモトピアノ」のテレビコマーシャルがたびたび話題となり、20年以上の長きに渡って同社のCMキャラクターとして君臨した。

主な出演映画に、「男はつらいよ(シリーズ)」「幕末てなもんや大騒動」「ドリフターズですよ!前進前進また前進」「とむらい師たち」「深夜族」「虹をわたって」「コント55号とミーコの絶体絶命」「藍より青く」「キネマの天地」「スニーカーぶる〜す」「ヨコハマBJブルース」「探偵物語」「お葬式」「蜜月」「ブラックボード」「宣戦布告」「美味しんぼ」「ホーム・スイートホーム」「白椿」「ふたたび」などがある。

また、出演した主なテレビドラマには、出世作となる藤田まこと主演の「てなもんや三度笠」を始め、「大岡越前」「ママはライバル」「なんたって18歳!」「非情のライセンス」「赤ひげ」「アイフル大作戦」「伝七捕物帳」「夜明けの刑事」「時間ですよ」「銭形平次」「はじめまして」「同級生」「3年B組金八先生(シリーズ)」「大江戸捜査網」「不毛地帯」「鞍馬天狗」「事件記者チャボ!」「気分は名探偵」「武田信玄」「鬼平犯科帳」「家と女房と男の名誉」「私が愛したウルトラセブン」「お金がない!」「嘘つきは夫婦のはじまり」「はぐれ刑事純情派」「家政婦は見た!」「甘い結婚」「ブラザーズ」「フードファイト」「天花」などがある。なお、「てなもんや三度笠」は、関西地区のおいて64・8%の最高視聴率を叩き出したこともある大ヒット番組だった。

さらに歌手として、「タケモトピアノ」のCMソングである「タケモトピアノの歌」を始め、「たかが人生五十年」「野風増」「ラストデイト」「帰ってきたケロッ!とマーチ」などの楽曲も発表している。その他、「こてっちゃん」(スタミナ食品、現・エスフーズ)、「バブルスター」(原ヘルス工業)、「十六茶」(アサヒ飲料)といったテレビCMでも活躍した。

受賞歴に、日本アカデミー賞(優秀助演男優賞)、ゴールデン・アロー賞(演劇賞)などがある。

著書に、「聞いてチョウダイ・根アカ人生」など。

自宅にて死去。死因は、慢性心不全であった。89歳。近年は、心臓に水が溜まる病気や肺の前癌病変などの病に見舞われ仕事を断ることが多くなったが、入院を頑なに拒み、自宅療養を続けていたという。死去の事実は5日程経過してから公となり、誰もが急逝のニュースに驚きと悲しみを隠せなかった。

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