矢野博丈

(やのひろたけ)
実業家・企業家。100円均一ショップの草分け的存在で、世界各国合わせて5,000店舗以上を展開している「ダイソー」(DAISO)を運営する株式会社大創産業の創業者として有名。

中国の首都・北京に生まれ、第二次世界大戦後に家族と広島県賀茂郡(現在の東広島市)に引き揚げた。東京都八王子市に本拠を構える中央大学を卒業後、1972年に移動販売業の「矢野商店」を設立、のちに価格を100円均一として販売する手法を導入。1977年には、「大創産業」として法人化を果たし、社長に就任した。当時は売り上げのほとんどを株式会社ダイエーに頼っていたが、1980年代後半より現在の形である100円ショップの展開に着手。1991年に、香川県高松市に直営第1号店を出店、これを皮切りに本格的なチェーン展開が始まった。1990年代後半からは世の中の不況に伴ってリーズナブルな販売形態として逆に売り上げを伸ばし、他社の参入もあって業界自体が活性化。その中でも成長を続け、現在まで業界トップとして君臨している。なお、自身は2018年に会長に退き、現場トップの座を息子(次男である矢野靖二氏)に譲っている(会長も2019年に退任)。

主な受賞歴に、企業家ネットワーク「企業家倶楽部」が主催する年間優秀企業家賞(2000年)などがある。

「自分は時代遅れの人間」「ダイソーは潰れると思っていた」など、成功企業の社長としてはネガティブな発言が多いことでも知られ、2023年4月からは産経新聞上で『「100円の男」の哲学』と題し、主に自身の経営哲学をテーマとしたコラムも連載していた。

死因は、心不全であった。80歳。死去の事実は、1週間後となる2月19日に明らかとなった。

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