舟越桂

(ふなこしかつら)
彫刻家。同じく彫刻家で、その分野では戦後日本を代表する人物である舟越保武の息子。やはり同じく彫刻家である舟越直木の兄。実業家で、株式会社すえもりブックス社長である末盛千枝子の弟。紫綬褒章受章者。

1951年、岩手県盛岡市に生まれ、東京都八王子市にある東京造形大学を卒業後、父である舟越保武が教授を務めていた東京芸術大学の大学院に進学。1977年に修了。1980年代以降、クスノキを使用した木彫半身像や、大理石の玉眼をはめ込んだ人物像などを制作し、国内のみならず海外でも高い評価を受けた。1988年には、イタリアのヴェネツィアで開催されている歴史ある現代美術展覧会「ヴェネツィア・ビエンナーレ」における日本代表作家に、植松奎二や戸谷成雄とともに選出された。素朴ながら独特の雰囲気と静かな存在感を放つ数々の作品は多くの人々から注目を集め、天童荒太の小説作品「永遠の仔(こ)」など数多くの書籍で表紙などに使われた。そのほか、「森に浮かぶスフィンクス」(2006年)などの代表作がある。

受賞歴に、芸術選奨文部科学大臣賞、中原悌二郎賞(優秀賞)、平櫛田中賞、タカシマヤ文化基金新鋭作家奨励賞受賞、毎日芸術賞など。

東京都内にある病院にて死去。死因は、肺癌であった。72歳。

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