唐十郎

(からじゅうろう)
劇作家・演出家・俳優。第二次世界大戦後の日本における演劇界を代表する1人。特にアングラ演劇の旗手として人気を博したほか、作家・小説家としても知られ、「佐川君からの手紙」(1981年)で芥川賞も受賞している。明治大学客員教授。文化功労者。映画監督・プロデューサーである大鶴日出栄の息子。女優である李麗仙の元夫。俳優で、小説家としても知られる大鶴義丹、および女優である大鶴美仁音、俳優である大鶴佐助の父。

東京府東京市下谷区(現在の東京都台東区)生まれ。明治大学を卒業後、青年芸術劇場の研究生などを経て、1963年に「シチュエーションの会」(のちに「状況劇場」に改名)を旗揚げ。特設の「紅テント」で公演し、「アングラ演劇」と呼ばれるほどの過激なパフォーマンスで人気を博す。出身者には、佐野史郎、小林薫、根津甚八らがいる。1969年には、東京都から許可が出ていない状態にも関わらず新宿駅の西口広場で公演を強行し、逮捕者を出したこともある。

戯曲や小説などの著作にて数々の賞を受賞しており、主な受賞歴には、上述の芥川賞のほか、岸田國士戯曲賞、泉鏡花文学賞、鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞、花園賞、読売演劇大賞(芸術栄誉賞)、明治大学特別功労賞、朝日賞、李炳注国際文学賞などがある。

出演した主な映画は、「犯された白衣」「日本暗殺秘録」「銭ゲバ」「ジャズ大名」「夜叉ヶ池」「カンゾー先生」「シアトリカル – 唐十郎と劇団唐組の記録」など。

出演したテレビドラマには、「世にも奇妙な物語」「恐怖劇場アンバランス」「黄金の日日」「海峡を渡るバイオリン」「天河伝説殺人事件」「ハンチョウ 〜 神南署安積班 〜」「王様の家」などがある。

発表した戯曲作品には、「渦巻きは壁の中を征く」「腰巻お仙・百個の恥丘」「由比正雪」「ジョン・シルバー」「少女都市」「少女仮面」「海の牙」「ベンガルの虎」「盲導犬」「下町ホフマン」「腰巻おぼろ」「糸姫」「黄金バット」「お化け煙突物語」「黒いチューリップ」「少女都市からの呼び声」「さすらいのジェニー」「ねじの回転」「透明人間」「動物園が消える日」「海の口笛」「汚れつちまつた悲しみに・・・」「鯨リチャード」「模造石榴」「泥人魚」「花屋敷」「眠りオルゴール」「紙芝居の絵の街で」「黒手帳に頬紅を」「姉とおとうと」「カーテン」「百人町」「ひやりん児」「西陽荘」など。

小説などの著書に、冒頭で触れた「佐川君からの手紙」のほか、「謎の引越少女」「少女と右翼」「ベンガルの虎」「ズボン」「夜叉綺想」「風にテント胸には拳銃」「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」「調教師」「風に毒舌」「女シラノ」「唐版犬狼都市」「御注意あそばせ」「マウント・サタン」「安寿子の靴」「サンドイッチマン」「シェイクスピア幻想」「フランケンシュタインの娘」「桃太郎の母」「オルゴールの墓」「特権的肉体論」「きみと代わる日」「ガラスの使徒」「唐十郎コレクション」「唐組熱狂集成」「ダイバダッタ」「芸術ウソつかない」「教室を路地に!」「汗のドレス」「紅テント・ルネサンス!」などがある。

東京都中野区にある病院にて死去。死因は、急性硬膜下血腫であった。84歳。3日ほど前に自宅で転倒し、病院に緊急搬送されていた。なお、2012年にも自宅前で転倒の上、外傷性脳内血腫と脳挫傷のために約半年間入院していたことがある。

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