カール・アンドレ

彫刻家・詩人(アメリカ)。完成度追及のため、過度に装飾するのではなく逆にそれらを必要最小限までそぎ落とし、シンプルな色や形を追求するスタイルであるミニマリズム彫刻(ミニマル・アート)のパイオニアとして知られている。フェミニスト美術家であったアナ・メンディエタの元夫(死別)。

1935年、アメリカ合衆国マサチューセッツ州・ノーフォーク郡の工業都市であるクインシーに生まれ、両親の影響から詩に親しみながら育つ。名門フィリップス・アカデミーで学び、兵役や出版社勤務を経て、1958年頃より彫刻作品の制作を始める。これには、20世紀を代表するルーマニアの彫刻家であるコンスタンティン・ブランクーシの存在が多分に影響していた。1960年よりユニット状の木に詩作を組み合わせる「エレメント」シリーズを制作。1965年、自身初となる個展を「ティボール・ド・ナギ・ギャラリー」にて開催。1966年には、137個もの耐火レンガを直列に床へ並べた「レヴァー」(てこ)を発表した。以後も、アメリカやヨーロッパなどを中心に、世界各国でその場所の空間に合わせたさまざまな規模の作品を発表し続けてきた。

日本には、1970年に「日本国際美術展」の招聘作家として来訪しているほか、1978年には東京都港区南青山にある「アート・エージェンシー・トウキョウ」にて個展を開催。105枚のアルミニウム板を使用した作品「14個のアルミニウム基数第X番」などを発表した。

死因などの詳細は明確になっていない。88歳。2024年3月から6月にかけて、日本でも千葉県のDIC川村記念美術館で個展が開催される予定だが、それを待たずして亡くなってしまった。なお、1985年には、妻であったアナ・メンディエタがニューヨークにあるアパートの34階から落下、亡くなっている。

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