嵯峨善兵

(さがぜんぺい)
俳優・映画製作者。代表的な出演映画には、山本薩夫が監督を務めた1950年の作品「暴力の街」や、同じく山本薩夫によって山崎豊子の同名長編小説を映画化した「華麗なる一族」などがある。

石川県金沢市に生まれ、当初は美術家を志して日本美術学校(現在の日本美術専門学校)から日本プロレタリア美術家同盟に進むも、ほどなくして俳優に転身。東京左翼劇場、新築地劇団、東京演劇集団などの劇団に所属しながら舞台活動を行うようになる。さらにその後、新興キネマ株式会社、東宝映画株式会社などに所属しながら主にバイプレイヤーとして数々の映画に出演した。

出演した主な映画には、上述した「暴力の街」や「華麗なる一族」を始め、「花咲く樹」「只野凡児 人生勉強」「あゝ玉杯に花うけて」「都会の怪異七時三分」「三色旗ビルディング」「彦六大いに笑ふ」「武士道朗らかなりし頃」「東海道は日本晴れ」「樋口一葉」「チョコレートと兵隊」「支那の夜」「虞美人草」「母の地図」「ハナ子さん」「戦火を越えて」「箱根風雲録」「縮図」「台風騒動記」「億万長者」「太陽のない街」「純愛物語」「喧嘩太郎」「爆薬に火をつけろ」「人間の壁」「あした晴れるか」「男の怒りをぶちまけろ」「機動捜査班(シリーズ)」「東京ドドンパ娘」「サラリーマン物語」「若くて悪くて凄いこいつら」「上を向いて歩こう」「男の紋章(シリーズ)」「脱獄のブルース」「証人の椅子」「不毛地帯」「皇帝のいない八月」「さくら隊散る」「マルサの女」「タンポポ」「226」などがある。また、「太陽のない街」「真空地帯」「幸運の椅子」「愛すればこそ」などの作品では、製作側としてプロデュースも行った。

出演した主なテレビドラマには、「じれったい恋の物語」「火の山」「まごころ」「ここに人あり」「恋のマルコポーロ」「ダイヤル110番」「ウエディング・ドレス」「世は抜きとり」「むしけら」「三人の女「われら青春」「肘掛椅子」「私だけが知っている」「赤ひげ診療譚」「みどりの歌」「愛妻物語」「ひょうたんと駒」「幻のタンゴ」「事件記者」「三匹の侍」「おはなはん」「七人の刑事」「風雪」「女と刀」「プレイガール」「遠山の金さん捕物帳」「木枯し紋次郎」「水戸黄門」「破れ傘刀舟・悪人狩り」「江戸を斬る(シリーズ)」「非情のライセンス」「ザ★ゴリラ7」「前略おふくろ様」「太陽にほえろ!」「ジグザグブルース」「華麗なる刑事」「Gメン’75」「日本の戦後」「白い巨塔」「大岡越前」「ちょっとマイウェイ」「なぜか初恋・南風」「特捜最前線」「大空港」「池中玄太80キロ」「ザ・ハングマン」「ボクの婚約者」「そして戦争が終った」「プロハンター」「父からの贈りもの」「翔んでる!平賀源内」など、多数。

舞台では、「忠臣蔵」「乞食芝居」「イルクーツク物語」「ポーギィとベス」「夜明け前」「斬られの仙太」「島」「初恋」「三人姉妹」「七月六日」「もう一人のヒト」「メアリ・スチュアート」「ペール・ギュント」「冬の旅」「コーカサスの白墨の輪」など。

そのほか、「幕末千一夜」などのラジオドラマや、「緑園の天使」といった海外作品の吹き替えなどでも活躍した。

東京都府中市にある病院にて死去。死因は、急性心不全であった。79歳。

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