野沢尚

(のざわひさし)
脚本家・作家・推理小説家。中学時代から独学で脚本やシナリオの制作を進めていたが、日本大学を卒業後、中村幻児が監督を務め、宇沙美ゆかりが主役を演じた「V.マドンナ大戦争」で手掛けた脚本が城戸賞に佳作入選したことから、プロへの道を歩み始める。その後、テレビドラマの脚本も数多く手掛ける一方、推理小説なども執筆するようになった。

脚本を手掛けた主な映画には、上述した「V.マドンナ大戦争」を始め、すずきじゅんいち監督・安田成美主演の「マリリンに逢いたい」や、ビートたけし(北野武)が主演・監督を務めた「その男、凶暴につき」などがよく知られている。その他、「ラッフルズホテル」「さらば愛しのやくざ」「ジェームス山の李蘭」「課長島耕作」「赤と黒の熱情」「ラストソング」「深紅」「破線のマリス」「不夜城」「集団左遷」「名探偵コナン ベイカー街の亡霊(アニメ)」などがある。

また、テレビドラマでは、「親愛なる者へ」「この愛に生きて」「素晴らしきかな人生」「おいしい関係」「眠れる森」「結婚前夜」「青い鳥」「喪服のランデヴー」「氷の世界」「眠れぬ夜を抱いて」「水曜日の情事」「緋色の記憶」「坂の上の雲」「川、いつか海へ – 6つの愛の物語」などがある。

著書(その多くが上述した作品の原作にもなっている)に、「V.マドンナ大戦争」「マリリンに逢いたい」「素晴らしきかな人生」「恋人よ」「映画館に、日本映画があった頃」「青い鳥」「破線のマリス」「結婚前夜」「深紅」「野沢尚のミステリードラマは眠らない」「水曜日の情事」「恋愛時代」「龍時(シリーズ)」「砦なき者」「ふたたびの恋」「魔笛」「ひたひたと」などがある。

主な受賞歴には、上述した城戸賞を始め、吉川英治文学新人賞、島清恋愛文学賞、ザテレビジョンドラマアカデミー賞(脚本賞)、江戸川乱歩賞、向田邦子賞、芸術選奨文部科学大臣賞などがある。

所属事務所にて死去。死因は、首吊り自殺であった。44歳。「お先に失礼します」などと記された複数人宛ての走り書きメモ(遺書)が見つかったという。

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