森繁久彌

(もりしげひさや)
俳優・声優・歌手。20世紀の日本を代表する大御所俳優の1人。数々の著名俳優がリスペクトの対象として現在でも名前を挙げる巨匠。紺綬褒章・紫綬褒章・勲二等瑞宝章・都民文化栄誉章・文化勲章(演芸分野では初)受章者。文化功労者。国民栄誉賞受賞者。東京都名誉都民。大阪府枚方市名誉市民。なお、「森繁久弥」と表記されることもある。

早稲田大学中退後、NHKアナウンサーとして活動。その後、ラジオ番組や舞台などへの出演を機に喜劇俳優として注目を集め始めたのが、輝かしいキャリアの幕開けであった。生涯において出演した通算映画本数は、250を優に超えるという。

また、日本俳優連合永世名誉会長、芸能文化人ガンクラブ会長、社団法人あゆみの箱永世名誉会長、関東小型船安全協会会長、日本喜劇人協会会長などの要職も歴任した。

受賞歴には、日本アカデミー賞(優秀主演男優賞、協会栄誉賞)、ゴールデン・アロー賞(特別賞)、ブルーリボン賞(主演男優賞)、日本映画批評家大賞(ゴールデン・グローリー賞)、NHK放送文化賞、菊池寛賞、毎日映画コンクール(男優主演賞、特別賞)、毎日芸術賞、芸術選奨文部大臣賞、菊田一夫演劇賞(大賞)、紀伊國屋演劇賞(特別賞)、日本文芸家協会大賞、山路ふみ子映画賞(文化賞)、放送文化基金賞、喜劇人大賞(名誉功労賞)、日刊スポーツ映画大賞(特別賞)、日本レコード大賞(特別功労賞)、エランドール賞(特別賞)など、枚挙に暇がない。

主な出演映画には、「次郎長三国志(シリーズ)」「へそくり社長」「はりきり社長」「駅前旅館」「駅前団地」「駅前温泉」「駅前医院」「新・三等重役(シリーズ)」「女は男のふるさとヨ」「女優」「恋人」「ブンガワンソロ」「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」「東京の恋人」「坊っちゃん」「警察日記」「番場の忠太郎」「人生とんぼ返り」「猫と庄造と二人のをんな」「負ケラレマセン勝ツマデハ」「東京の休日」「暖簾」「珍品堂主人」「がめつい奴」「ふんどし医者」「南の島に雪が降る」「箱根山」「地の涯に生きるもの」「われ一粒の麦なれど」「大冒険」「男はつらいよ 純情篇」「ふたりのイーダ」「姿三四郎」「二百三高地」「四十七人の刺客」「空海」「さよならジュピター」「新サラリーマン専科」「死に花(最後の映画作品)」など。なお、これらはほんの一部であり、とてもではないが全てをここで紹介することは叶わない。また、「白蛇伝」「もののけ姫」「どんぐりの家」「ドラえもん のび太と翼の勇者たち」「ヘラクレス」といったアニメーション作品では、声優として様々なキャラクターの声を担当している。

主な出演テレビドラマには、「吾輩は猫である」「忘れえぬクリスマス」「マンモスタワー」「哀愁のやもめたち」「S・Hは恋のイニシァル」「おれの義姉さん」「時間ですよ」「水戸黄門」「元禄太平記」「江戸を斬る」「お手々つないで」「関ヶ原」「おやじは熟年」「栄花物語」「響子」「麗子の足」「忠臣蔵」「田原坂」「勝海舟」「白虎隊」「花くらべ」「おやじのヒゲ」「社長になった若大将」「銭形平次」「大岡越前」「飛んで火に入る春の嫁」「あ・うん」「こちら第三社会部」「旗本退屈男」「向田邦子の恋文(遺作)」など。こちらもほんの一部である。

その他、「全日本空輸」「日本IBM」「コカ・コーラ」「三井不動産」「松下電器産業(現パナソニック)」など数々の著名企業の広告やCM、「日曜喫茶室」「今晩は森繁久彌です」「愉快な仲間」「友よ!森繁だ」などのラジオ番組、「暖簾」「狐狸狐狸ばなし」「屋根の上のヴァイオリン弾き」「孤愁の岸」「お遊さま」「赤ひげ診療譚」といった舞台などでも活躍した。

さらに、歌手として、作詞・作曲を手掛けたり、LPやCDを発表したりしている。NHKの年末恒例行事である「紅白歌合戦」には、7度の出場を誇り、「カチューシャ」「五木の子守唄」「しれとこ旅情」「ゴンドラの唄」といった曲を歌唱した。

著書(共著・編著を含む)に、「森繁久弥の朝の訪問」「人師は遭い難し」「こじき袋」「森繁自伝」「隙間からスキマへ」「左見右見」「あの日あの夜」「青春の地はるか」「帰れよや我が家へ」「もう一度逢いたい」「はじのうわぬり」「ブツクサ談義」「森繁久彌86才芸談義」「品格と色気と哀愁と」「大遺言書」「さらば大遺言書」「生きていりゃこそ」「にんげん望艶鏡」「さすらいの唄」「にんげん望遠鏡」「わたしの自由席」「猛烈社員の条件」「男と女の一心不乱」「わたしのニューカレドニア」「忘れがたき旅路、わが故郷を求めて」などがある。

病院にて死去。死因は、老衰であった。96歳。晩年は、胆管結石や心筋梗塞などを患い、風邪の症状が治まらないために大事をとって入院したりすることも多かったという。

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