増井光子

(ますいみつこ)
獣医師・エンデュランス馬術競技選手。女性の獣医師としてパイオニアであり、日本を代表する存在であった。

東京都日野市にある「多摩動物公園」や東京都台東区にある「上野動物園」にて女性初の園長に就任したほか、神奈川県横浜市旭区にある「横浜市立よこはま動物園」(よこはま動物園ズーラシア)の初代園長、兵庫県豊岡市にある県立の研究施設「兵庫県立コウノトリの郷公園」の初代園長などを歴任。そのほか、麻布大学客員教授、生物多様性に関する委員会委員(環境省)なども務めた。

上野動物園に勤務していた際には、日本で初めてパンダの人工繁殖を成功させた。さらに、コウノトリの郷公園では、30年ほど前に絶滅していたコウノトリを、再び蘇らせるという偉業を成し遂げるなど、多大なる功績を残した。

また、大阪国際女子マラソンの黎明期に出場し、女子マラソンの発展に貢献したほか、2006年には、国際馬術連盟が4年に1度開催するFEI世界馬術選手権大会にて、エンデュランス馬術競技の日本代表として出場するなど、多彩な活躍ぶりを見せた。

日本放送協会(NHK)が年末に開催する恒例の大規模歌番組「紅白歌合戦」では、1991年の第42回大会にて審査員に招聘された。

著書(編著・共著を含む)に、「よくわかる犬の飼い方」「アカ公、なぜ死んだ」「草げんのきいろい矢」「ペットを飼おう」「アフリカ野生動物の旅」「動物私記」「動物ってなんだろう」「動物が好きだから」「かわいいイヌ」「たぬきの子」「動物園歳時記」「わたしのチャウチャウ」「どうぶつたちの夜」「都会の中の動物たち」「60歳で夢を見つけた」「動物の赤ちゃんは、なぜかわいい」「ぞうさんのはな」「クマ・パンダ・キツネ」「動物園親代り日記」「動物園へいこうよ」「ライオンのなかまたち」「滅びゆく野生」「動物が好き、人間が好き」「うさぎの兎」「ハムスターシマリス」「ウサギモルモット」などがある。

また、動物に関する海外書籍に対する多数の翻訳も手掛けており、その作品には、「ごろろうううぶうぶう」(ピーター・スピア)、「コアラ/パンダ」「オオカミ/クマ」「クジラ/サメ」「ライオン/ネコ」「ワシ/猛きん類」(以上ジョン・ボネット・ウェクソ)、「アフリカゾウ」(オリア・ダグラス=ハミルトン)、「森へ帰る」(ステラ・ブルーワー)などがある。

滞在先のイギリス・ケンブリッジにある病院にて死去。死因は、馬術大会競技中の落馬事故にて脳に重症を負ったためであった。73歳。事故後、ヘリコプターにて病院に緊急搬送され、手術を受けたものの、助からなかったという。

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