大久保昌一良

(おおくぼしょういちろう)
脚本家・演出家。

福井県福井市に生まれ、県立藤島高等学校を卒業後に上京、明治大学に入学。映画研究会に所属しながら、徐々に知見を蓄えていった。卒業後、マイナー雑誌への官能小説寄稿、助手としての下積みなどを経て、1977年に脚本家としてデビューを果たす。デビュー作となった番組は、TBS系列で放送され、山城新伍を中心に千葉真一、志穂美悦子、山田隆夫らが出演していた毎日放送製作の時代劇コメディ番組「新伍とんでけ捕物帳」であった。以後、数々のテレビドラマやテレビアニメなどで脚本や演出を手掛けるようになる。

携わった主なテレビドラマは、「水戸黄門」「くれない族の反乱」「まんが道」「江戸を斬る」「愛の嵐」「華の誓い」「はるちゃん」「ラスト・フレンド」「追いかけたいの!」「しゃぼん玉」「三匹が斬る!」「こちら第三社会部」「新・愛の嵐」「内田康夫サスペンス・浅見光彦(シリーズ)」など、多数。

また、テレビアニメでは、「パーマン」「忍者ハットリくん」といった藤子不二雄(藤子不二雄A藤子・F・不二雄)作品や、「ルパン三世(シリーズ)」などがある。なお、ルパン三世における主要な登場人物「十三代目石川五ェ門」が使用している日本刀「斬鉄剣」(ざんてつけん)が「こんにゃく」を切れずに苦手としているというエピソードは、当人が考案したものであるという。どんなものでも切り裂いてしまうという、一般的にもよく切れる刀の代名詞になっている「斬鉄剣」が、柔らかいにもかかわらずこんにゃくだけが唯一切れないという設定は、そのユニークさから多くのアニメファンをニヤリとさせた。

そのほか、阪神タイガースや西武ライオンズで活躍したプロ野球選手である田淵幸一がモデルの主人公「タブチくん」が登場する4コマ漫画(いしいひさいち作)を映像化した「がんばれ!!タブチくん!!」や「対馬丸 – さようなら沖繩 -」などの劇場アニメ、「人魚の森」といったOVA(オリジナルビデオアニメ)作品なども手掛けた。

東京都多摩市にある病院にて死去。死因は、脳梗塞であった。63歳。

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