佐伯彰一

(さえきしょういち)
アメリカ文学者・翻訳家・文芸評論家。東京大学名誉教授。演劇・文芸・美術などの様々な芸術分野で特筆すべき実績を残した人物を顕彰・優遇する国立アカデミーかつ文化庁特別機関である「日本藝術󠄁院」会員。「物語芸術論」など、多数の著書を生み出したことで有名。勲三等旭日中綬章受章者。

1922年、富山県生まれ。東京帝国大学(現在の東京大学)を卒業後、同大学の大学院を修了。東京都立大学の助教授やカナダ・トロント大学の客員教授などを経て、1968年に東京大学教授に就任。そのほか、中央大学教授、世田谷文学館館長などの要職も歴任した。

代表的な著書(編著も含む)に、上述した「物語芸術論」を始め、「現代英米小説の問題点」「内と外からの日本文学」「内なるアメリカ・外なるアメリカ」「日本の「私」を索めて」「日本人の自伝」「日本を考える」「狂気の時代」「外から見た日本文学」「近代日本の自伝」「伝記のなかのエロス」「神道のこころ」「大世俗化の時代と文学」「作家の手紙をのぞき読む」「作家伝の魅力と落とし穴」「昭和史のなかの私」「ジェイムズ・ジョイス入門」「アメリカ人の日本論」「三島由紀夫全集」「旅人への贈り物」「外国人による日本論の名著」「アメリカハンドブック」「作家の自伝(シリーズ)」「自伝の名著」「ふたつの日本」など、多数。

翻訳した作品には、「持つと持たぬと」(ヘミングウェイ)、「小説の構造」(E.ミュアー)、「死の床に横たわりて」(フォークナー)、「さようならコロンバス」(フィリップ・ロス)、「雨の王ヘンダソン」(ソール・ベロー)、「烈しく攻むる者はこれを奪う」(フラナリー・オコナー)などがある。

主な受賞歴に、日本芸術院賞、芸術選奨文部大臣賞、読売文学賞など。

死因は、肺炎であった。93歳。

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