ザハ・ハディッド

建築家(イギリス)。2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の当初案(建設費などの問題で後に白紙撤回)を手掛けたことで有名。イラクの首都であるバグダッド出身だが、主にイギリスを拠点として活動し、イギリス国籍を取得している。大英帝国勲章コマンダー(CBE)、大英帝国勲章デイム・コマンダー(DBE)受章者。なお、日本では、「ザハ・ハディード」「ザハ・ハディド」などと発音・表記されることも多い。

1950年、イラク・バグダッド生まれ。1972年にイギリスに渡り、首都ロンドンの建築学校である「英国建築協会付属建築専門大学(AAスクール)」にて学ぶ。その後、オランダ人の著名な建築家・都市計画家であるレム・コールハースが営む設計会社への勤務などを経て、1980年に建築家として独立し、自らの事務所を構えるに至った。その作品は、3D・CADを駆使したコンピュータデザインによる独創的な曲線が特徴。現在のように建築技術が発達する以前は、あまりに奇抜なデザインであることから実現不可能なものも多かったとされる。

手掛けた作品は、「国際花と緑の博覧会(EXPO’90)フォリー(大阪府)」「IBA集合住宅(ベルリン)」「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン(ロンドン)」「ファエノ科学センター(ヴォルフスブルク)」「ローゼンタール現代美術センター(シンシナティ)」「ノルドパーク・ケーブル駅(インスブルック)」「トゥール・CMA CGM(マルセイユ)」「サラゴサ国際博覧会ブリッジ・パヴィリオン(サラゴサ)」「アクアティクス・センター(ロンドン)」「ヘイダル・アリエフ文化センター(バクー)」「銀河SOHO(北京)」「香港工科大学ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー(香港)」「東大門デザインプラザ(ソウル)」「サレルノ・フェリー・ターミナル(サレルノ)」「ナポリ・アフラゴーラ駅(ナポリ)」「ワンサウザンド・ミュージアム(マイアミ)」「アル・ジャヌーブ・スタジアム(アル・ワクラ)」「淡江大橋(新北)」「北京大興国際空港ターミナルビル(北京)」など、世界中に多数存在する。

主な受賞歴に、高松宮殿下記念世界文化賞、プリツカー賞、王立英国建築家協会(RIBA)ゴールドメダル(ロイヤル・ゴールド・メダル)などがある。なお、王立英国建築家協会ゴールドメダルは、女性として初めての受賞という快挙となっている。

アメリカ合衆国・フロリダ州マイアミにある病院にて死去。死因は、心臓発作であった。65歳。気管支炎の治療を受けている最中に亡くなってしまった。

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