犬塚弘

(いぬづかひろし)
俳優・ミュージシャン(ベーシスト)。1960年代に人気を博したお笑いタレントグループでありジャズバンドでもある「ハナ肇とクレージーキャッツ」メンバー。「ワンちゃん」と呼ばれ親しまれた。

「萩原哲晶とデューク・オクテット」などのジャズバンドに所属しながらモダンジャズを演奏するなどの活動を経て、1955年にドラマーであったハナ肇らと共に前身となる「ハナ肇とキューバン・キャッツ」を結成。その後、「ハナ肇とクレージーキャッツ」に改名し、植木等谷啓も加入。一世を風靡した。

グループではウッドベースを担当した他、メンバーと共に出演した「クレージーだよ奇想天外」など「クレージー映画」と呼ばれる数多くの喜劇映画シリーズや、日本テレビ系列で放送されていた人気バラエティ番組「シャボン玉ホリデー」などで活躍、お茶の間の人気を博した。

近年、メンバーがそれぞれ活動するようになってからも、山田洋次が監督を務め、渥美清が主役を演じる「男はつらいよ」シリーズなどに出演し、存在感のある演技で活躍した。

主な出演映画に、上述した「クレージー映画」や「男はつらいよ」シリーズを始め、「ほんだら捕物帖」「素敵な今晩わ」「怪獣大奮戦・ダイゴロウ対ゴリアス」「馬鹿が戦車でやって来る」「いいかげん馬鹿」「馬鹿まるだし」「ハナ肇の一発大冒険」「裸の大将」「若い季節」「運が良けりゃ」「ハイハイ3人娘」「やればやれるぜ全員集合!!」「いい湯だな全員集合!!」「祭りだお化けだ全員集合!!」「ええじゃないか」「アイコ十六歳」「冬物語」「鏡の女たち」「アダン」「転校生」「ポストマン」「春よこい」「ツレがうつになりまして。」「この空の花・長岡花火物語」「ジョバンニの島」「海辺の映画館 – キネマの玉手箱」などがある。

また、出演したテレビドラマには、「若い季節」「生まれなさい赤ちゃん」「ゆびきりげんまん」「こおろぎ橋」「うしろの正面だあれ」「時間ですよ2」「アイフル大作戦」「新・必殺仕置人」「大江戸捜査網」「水戸黄門」「桃太郎侍」「夜明けの刑事」「遠山の金さん」「達磨大助事件帳」「鉄道公安官 」「熱中時代」「銭形平次」「本日も晴天なり」「こころ」「特捜最前線」「 特急さくら殺人事件」「痛快あばれはっちゃく」「御宿かわせみ」「私鉄沿線97分署」「西田敏行の泣いてたまるか」「世にも奇妙な物語」「鬼平犯科帳」「賢治のほほえみ」「社長になった若大将」「地方記者・立花陽介」「バトルファミリー」「坊ちゃん教授の事件簿」「ウルトラマンマックス」「神様からひと言」「海峡」「悪魔の手毬唄」などがある。

その他、前述した「シャボン玉ホリデー」を始め、「クレージーキャッツショー」「植木等ショー」「8時だョ!出発進行」「クレージーの奥さ〜ん!」「おとなの漫画」「ハイやりました!」「美の壺」「いい旅・夢気分」など、バラエティのほか様々なジャンルのテレビ番組でも活躍した。

著書に、「ホンダラ一代、ここにあり!」「飄飄として訥訥」など。

死因などの詳細は明らかになっていない。94歳。晩年は、脊柱管狭窄症などを患ったこともあって、俳優活動は引退していた。死去により、「ハナ肇とクレージーキャッツ」のメンバーは全員が亡くなったことになる。なお、日付は訃報が明らかとなった日(報道日)としている。

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