磯村尚徳

(いそむらひさのり)
ニュースキャスター・ジャーナリスト・外交評論家。日本放送協会(NHK)専務理事待遇特別主幹。NHK総合テレビにて放送されていた「ニュースセンター9時」(NC9)で初代キャスターを務めたほか、編集長も兼務していたことで知られている。陸軍軍人であった磯村武亮の息子。同じく陸軍軍人であった磯村年の孫。旭日中綬章受章者。

学習院大学を卒業後、1953年にNHKに入る。ベトナムのハノイ特派員、フランスのパリ特派員、アメリカのワシントン支局長、外信部長などを経て、1974年に報道局副主幹として「ニュースセンター9時」の初代キャスター兼編集長に就任した。以後、報道局長、特別主幹などを歴任。「ミスターNHK」と称されるほど、NHKの顔として獅子奮迅の活躍を見せた。

1991年にNHKを退局し、東京都知事選挙に出馬したものの、現職候補だった鈴木俊一氏に大差で敗れ、落選。以後、フリーの外交評論家として、フランスなどで活躍した。1998年には、長野冬季オリンピック開会式にて総合司会も務めた。

そのほか、パリ日本文化会館館長などの多くの要職も歴任した。

著書(共著・編著を含む)に、「ちょっとキザですが」「黄昏どきのおしゃべり」「世界トップレディーインタビュー」「しなやかなフランス人」「ニュー・ストリーム人間図式」「新しい女性これからの時代」「ブローニュの森から」「ちょっとごぶさたしましたが」「日本人はなぜ世界が読めないのか」「フランス・ジョーク集」「アジアとの対話」「土地はだれのものか」「経済大国の苦悩」「今こそ経済正義を」「この目で見た東欧」「世界の中の日本」などがある。なお、著書のタイトルにもなった「ちょっとキザですが」は、NHKキャスター時代、原稿を読み上げる前に自身の感想を付け加える際の前置きとして多用していたセリフである。

受賞歴に、ルネサンス・フランセーズ栄誉賞、ボーン・上田記念国際記者賞、日本記者クラブ賞などがある。

東京都にあるホスピスにて死去。死因は、骨髄異形成症候群であった。94歳。

タイトルとURLをコピーしました