藤原釜足

(ふじわらかまたり)
俳優。第二次世界大戦中は「藤原鶏太」の芸名で活動していた。女優・エッセイスト(随筆家)であった沢村貞子の元夫。特に、「世界のクロサワ」と呼ばれた日本映画界の巨匠、黒澤明監督の作品に数多く出演し、名バイプレイヤーとして存在感を示したことで有名。勲四等瑞宝章受章者。

東京市深川区(現在の東京都江東区)に生まれ、四ツ谷第三小学校を卒業後、滝野川俳優養成所や東洋音楽学校への所属を経て、劇団「プペ・ダンサント」に参加。映画俳優としての道を歩み始める。

出演した主な映画には、「音楽喜劇 ほろよひ人生」「坊っちゃん」「妻よ薔薇のやうに」「只野凡児(シリーズ)」「吾輩は猫である」「からくり歌劇」「東海道は日本晴れ」「ドレミハ大学生」「チョコレートと兵隊」「秀子の車掌さん」「忠臣蔵」「待って居た男」「春の饗宴」「ジャコ萬と鉄」「青い山脈」「軍艦すでに煙なし」「戦後派お化け大会」「てんやわんや」「泣きぬれた人形」「足にさわった女」「やぐら太鼓」「生きる」「わたしの凡てを」「七人の侍」「どぶ」「あんみつ姫」「新鞍馬天狗」「生きものの記録」「はりきり社長」「サザエさん(シリーズ)」「ロマンス娘」「気違い部落」「大学の侍たち」「私は貝になりたい」「秋立ちぬ」「悪い奴ほどよく眠る」「ちいさこべ」「影を斬る」「狸の大将」「なつかしき笛や太鼓」「冷飯とおさんとちゃん」「どですかでん」「日本侠花伝」「ここから始まる物語」「ガラスのうさぎ」「トラック野郎・度胸一番星」「はだしのゲン」「セーラー服と機関銃」「影武者」「愛しき日々よ」「お葬式」「Wの悲劇」などがある。

出演した主なテレビドラマには、「夫婦百景」「いくじなし」「黒い断層」「ぎんの一生」「煙の王様」「貸間あり」「青春とはなんだ」「氷点」「遊撃戦」「記念樹」「剣」「三匹の侍」「二十四の瞳」「俺は用心棒」「ハレンチ学園」「風の中を行く」「恋愛術入門」「プレイガール」「入ってまあす!」「水戸黄門」「必殺仕掛人」「どっこい大作 」「赤ひげ」「荒野の素浪人」「丹下左膳」「剣と風と子守唄」「非情のライセンス」「鬼平犯科帳」「大岡越前」「特捜最前線」「男たちの旅路」「鮎のうた」「真珠郎」「人間の証明」「俺はあばれはっちゃく」「Gメン’75」「ポーツマスの旗」「旅がらす事件帖」「御宿かわせみ」「冬構え(遺作)」などがある。

そのほか、「ぴったしカンカン」「オールスター家族対抗歌合戦」「タケちゃんの思わず笑ってしまいました」といったバラエティ番組・クイズ番組・歌番組などでも活躍した。

死因は、老衰であった。80歳。晩年は、迫りくる体力の衰えと戦いながら仕事をこなしていたという。

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