丹羽文雄

(にわふみお)
作家・小説家。文化勲章受章者。文化功労者。様々な芸術分野において秀でた功績を残した芸術家やアーティストを顕彰するための栄誉機関「日本芸術院」会員(死去当時最年長)。東京都武蔵野市名誉市民。三重県四日市市名誉市民。早稲田大学芸術功労者。ドラマプロデューサーで、BS-TBSメディア事業局長・統括プロデューサーなどを務めた丹羽多聞アンドリウの祖父。

戦争もの・風俗小説・宗教的小説・恋愛小説・私小説風作品・エッセイなど、幅広いジャンルにおいて数多くの作品を残した。また、自らの執筆活動の傍ら、日本文芸家協会会長・同協会理事長・同人誌「文学者」主宰者などを歴任し、業界の発展や後進の育成にも力を尽くした。1990年代に入り、アルツハイマー型認知症の症状を自覚したため、一線から退いた。

主な著作(小説)に、「自分の鶏」「鮎」「この絆」「新居」「小鳩」「海の色」「迎春」「幼い薔薇」「女人彩色」「豹の女」「女人禁制」「花戦」「薔薇合戦」「跳ぶ女」「南国抄」「七色の朝」「東京の女性」「風俗」「浅草寺附近」「人生案内」「職業もつ女」「碧い空」「青蝉」「この響き」「ソロモン海戦」「みぞれ宵」「水焔」「春の山かぜ」「三姉妹」「憎悪」「芽」「昔男ありて」「逢初めて」「十字路」「白い南風」「群女」「似た女」「贅肉」「魚と女房達」「幸福」「哭壁」「守礼の門」「人間模様」「人間図」「怒りの街」「愛人」「春の門」「かしまの情」「告白」「開かぬ門」「路は続いて居る」「暴夜物語」「雨跡」「生活の中の詩」「新家族」「結婚式」「惑星」「女靴」「虹の約束」「青麦」「禁猟区」「濃霧の人」「女の計略」「露の蝶」「菩提樹」「女の四季」「今朝の春」「魚紋」「崖下」「さまざまの嘘」「其日の行為」「日日の背信」「飢える魂」「東京の女性」「染められた感情」「運河」「娘」「愁眉」「貞操切符」「煩悩具足」「顔」「鎮花祭」「献身」「美しき嘘」「この世の愁い」「ゆきずり」「雪」「有情」「ある関係」「欲望の河」「情事の計算」「女医」「再婚」「命なりけり」「朝顔」「女心」「一路」「人妻」「魔身」「婚外結婚」「親鸞」「燕楽閣」「運命」「無慚無愧」「白い椅子」「渇愛」「干潟」「樹海」「山肌」「蓮如」「絆」「妻」など、枚挙に暇がない。ここに掲載したものはほんの一部であり、とてもではないが全てを書き切れるものではない。なお、これらを見て分かる通り、比較的短いタイトルを冠せられた作品が多いのが特徴と言える。

また、随筆(エッセイ)などその他の著作には、「私は小説家である」「秦逸三」「好色一代女」「人生作法」「文学と人生に関する211章」「新人生論」「仏にひかれて」「親鸞紀行」「ゴルフ・丹羽式上達法」「ゴルフ談義」「創作の秘密」「私の年々歳々」「親鸞の眼」「わが母、わが友、わが人生」「エイジ・シュート達成」「をりふしの風景」「私の小説作法」などがあり、こちらも多数。

主な受賞歴に、中央公論賞、野間文芸賞、仏教伝道文化賞、毎日芸術賞、読売文学賞、菊池寛賞などがある。

自宅にて死去。死因は、肺炎であった。100歳。

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