佐々木行

(ささきとおる)
歌手。男性コーラスグループ「ダークダックス」(「ダーク・ダックス」と表記されることもあり)のメンバー。セカンド・テナーとして、メロディ・パートを主に担当。「マンガさん」の愛称で親しまれていた。なお、「佐々木通正」(ささきみちまさ)という本名にて活動していた時期もある。

福島県出身。愛知県立旭丘高等学校を卒業し、慶應義塾大学に在学中に、「ゾウさん」こと遠山一らと音楽活動を開始。ロシア民謡やジャズを始め、童謡など幅広いジャンルに渡って見事な歌声を奏でるそのパフォーマンスは、耳に心地よいハーモニーとして人々に深く愛され、大きな人気を博した。

「ダークダックス」としての代表曲は、「ともしび」「トロイカ」「つる」「雪山讃歌」「クラリネットをこわしちゃった」「エーデルワイス」「愛のソナタ」「あんな娘がいいな」「花のメルヘン」「森の熊さん」「最上川舟唄」「雪山に消えたあいつ」「めざせモスクワ」「二十二歳まで」「グラスをのぞくフラミンゴ」「ガラスのうさぎ」「山に祈る」「北の大地」「旅立ちの日に」「もしも・ひろしまに」「ミユキの歌」など、多数。また、1958年にNHK(日本放送協会)の年末恒例大規模イベント「紅白歌合戦」に初出場を果たして以来、通算で15回におよぶ出場歴を誇っているほか、日本レコード大賞・文部省芸術祭奨励賞・日本作詩大賞・朝日広告賞・ギャラクシー賞・芸術選奨文部大臣賞・日本作曲大賞など、数々の賞を受賞している。さらに1993年には、グループとして紫綬褒章を受章した。

アメリカ合衆国やソビエト連邦(現・ロシア)などの海外でも公演を行うなど世界的にも人気を博し、メンバー不動の最長コーラスグループとしてギネスブックの世界記録に認定されたこともある。

神奈川県横浜市内にある老人向け施設にて死去。死因は、心不全であった。84歳。1997年末に一過性脳虚血発作を発症し、さらにその後、鬱病を患うなど、健康状態が悪化。晩年は、脳梗塞の後遺症のため病気療養していた。関係者の話では、親族や家族に見守られ、安らかに息を引き取ったとのこと。

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