大杉漣

(おおすぎれん)
俳優・タレント。役柄に合わせて人物像を変えることから、「カメレオン俳優」「300の顔を持つ男」などと呼ばれて人気を博した。写真家・フォトグラファーである大杉隼平の父。「大杉孝」名義での活動歴もある。

1980年、新東宝映画株式会社のポルノ映画である「緊縛いけにえ」で銀幕デビュー。その後、演技力が評価され着々とキャリアを重ねるも、一定の知名度を得たのは、40歳を超えてからオーディションを受け、出演を果たした1993年の映画「ソナチネ」(北野武監督)がきっかけだった。以後、日本を代表する名脇役(バイプレイヤー)として、数々の映画やテレビドラマに出演するようになる。代表的な出演作には、「バイプレイヤーズ 〜 もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら 〜」などがある。

出演した主な映画には、上述したデビュー作「緊縛いけにえ」や、北野武監督作品「ソナチネ」を始め、「猟奇!暴行事件」「女・たらしこみ」「激縛昇天夫人」「ガキ帝国」「新妻を縛る」「17才の告白」「悶絶!異常体験」「TATTOO 刺青あり」「ウィークエンド・シャッフル」「ハーレム・バレンタイン・デイ」「予告暴行」「狼」「新妻真昼の暴行」「ぼくらの季節」「団鬼六・美女縄化粧」「グッバイボーイ」「赤い銃弾疑惑の暴行」「先生、私の体に火をつけないで」「黒い下着の女」「ファンシィダンス」「病院へ行こう」「さわこの恋」「ハートブレイクは昨日まで」「無能の人」「はいすくーる仁義」「湾岸ミッドナイト」「赤と黒の熱情 」「離婚ゲーム 」「暴力列島」「ひき逃げファミリー」「武闘派仁義」「俺達は天使じゃない」「横浜ばっくれ隊」「とられてたまるか!!」「愛の新世界」「みんな〜やってるか!」「マークスの山」「きけ、わだつみの声」「勝手に死なせて!」「マリーの獲物」「Shall we ダンス?」「岸和田少年愚連隊」「キッズ・リターン」「勝手にしやがれ!!(シリーズ)」「新・居酒屋ゆうれい」「ハイエナの夜」「ポストマン・ブルース」「CURE」「蜘蛛の瞳」「HANA-BI」「アンラッキー・モンキー」「踊る大捜査線 THE MOVIE」「ニンゲン合格」「秘密」「発狂する唇」「MONDAY」「黒いカナリア」「三文役者」「BROTHER」「光の雨」「とらばいゆ」「DRIVE」「ラストシーン」「ロッカーズ」「赤い月」「伝説のワニ・ジェイク」「村の写真集」「ラマン」「疾走」「容疑者室井慎次」「銀色の髪のアギト」「バルトの楽園 」「エクステ」「Dear Friends」「逃亡くそたわけ」「監督・ばんざい!」「ネコナデ」「ブタがいた教室」「まぼろしの邪馬台国」「余命1ヶ月の花嫁」「守護天使」「沈まぬ太陽」「ランニング・オン・エンプティ」「USB」「七瀬ふたたび」「雷桜」「ケータイ刑事」「ツレがうつになりまして。」「おかえり、はやぶさ」「映画ひみつのアッコちゃん」「人生、いろどり」「100回泣くこと」「ぶどうのなみだ」「レインツリーの国」「ボクの妻と結婚してください。」「アウトレイジ最終章」「教誨師」「世界一と言われた映画館」「梅子」「モルエラニの霧の中」など、枚挙に暇がない。

また、出演したテレビドラマには、「Dの複合」「世にも奇妙な物語」「蒼い描点」「月のかたち」「女タクシードライバーの事件日誌」「山岳刑事」「ハラハラ刑事」「スペシャリスト(シリーズ)」「弁護士倉沢由法の事件ファイル」「セーラー服反逆同盟」「銭形平次」「秀吉」「太平記」「俺たちルーキーコップ」「忍者戦隊カクレンジャー」「鬼平犯科帳」「はみだし刑事情熱系」「プリズンホテル」「ナニワ金融道」「太陽は沈まない」「真夏のメリークリスマス」「科捜研の女」「カバチタレ!」「黄金の犬」「ロング・ラブレター」「ランチの女王」「クニミツの政」「ニコニコ日記」「相棒」「僕と彼女と彼女の生きる道」「なつのひかり。」「弟」「がんばっていきまっしょい」「みんな昔は子供だった」「名探偵赤冨士鷹」「愛と死をみつめて」「神はサイコロを振らない」「おかしなふたり」「僕の歩く道」「翼の折れた天使たち」「菊次郎とさき」「ホカベン」「エジソンの母」「雪之丞変化」「ありがとう、オカン」「あの戦争は何だったのか」「ハンチョウ」「トライアングル」「任侠ヘルパー」「坂の上の雲」「となりの芝生」「ゲゲゲの女房」「パーフェクト・ブルー」「モリのアサガオ」「湯けむりスナイパー」「生まれる。」「砂の器」「レッスンズ」「遺留捜査」「京都地検の女」「ミエリーノ柏木」「いねむり先生」「オリンピックの身代金」「花咲舞が黙ってない」「ぼんくら」「婚活刑事」「最後の証人」「お迎えデス。」「レンタル救世主」「瀬戸内少年野球団」「警視庁ゼロ係」「居酒屋ふじ」「命売ります」「雨の首ふり坂」など、多数。

舞台では、「喜劇役者」「地の駅」「小町風伝」「水の駅」「やじるし」「こわれゆく男」「象」「ヒネミ」「抜け穴の会議室」「ラヴ・レターズ」「砂の駅」などがある。

そのほか、「ぐるぐるナインティナイン(ゴチになります!)」「古舘トーキングヒストリー」「大杉漣の漣ぽっ」「不屈の者たちへ」「課外授業ようこそ先輩」「旅のチカラ」「アナザースカイ」「夜汽車紀行」「さんまの天国と地獄」などのバラエティ番組・トーク番組・情報番組・ドキュメンタリー番組や、全日本空輸株式会社・日清食品株式会社・野村證券株式会社・株式会社ポニーキャニオン・株式会社NTTドコモ・大塚製薬株式会社・株式会社スクウェア・エニックスなど著名企業のテレビCM、「FMシアター」「SOUNDS OF STORY」といったラジオ番組などでも活躍した。

著書に、「ゴンタクレが行く」「現場者(げんばもん) – 300の顔をもつ男」などがある。

受賞歴に、日本アカデミー賞(優秀助演男優賞)、報知映画賞(助演男優賞)、日刊スポーツ映画大賞(助演男優賞)、おおさか映画祭・助演男優賞、高崎映画祭・助演男優賞、 東京スポーツ映画大賞(助演男優賞)、ブルーリボン賞(助演男優賞)、橋田賞(特別賞)、ベストフォーマリスト賞など、多数。

千葉県千葉市にある病院にて死去。死因は、急性心不全であった。66歳。ドラマのロケで滞在していた千葉県内にて腹痛を訴えて病院に緊急搬送。集中治療が施されるも、翌日に亡くなってしまった。ロケに同行していた共演俳優である松重豊、光石研、遠藤憲一らが最期を見守ったという。

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