ジャック・ドロール

政治家・経済学者(フランス)。同じくフランスの政治家で、北部にある都市・リール市の市長や、社会党第一書記などを務めたマルティーヌ・オブリーの父。

1925年、フランスの首都パリに生まれ、パリ大学を卒業後、フランス中央銀行への勤務などを経て、1969年に第4代フランス首相であったジャック・シャバン=デルマスの顧問に就任。その後、1981年には、フランソワ・ミッテラン大統領(当時)の下で財政大臣を務めるなど、数々の重要な役職を歴任。所属政党である社会党において多大なる存在感と絶大なる影響力を持つ人物となった。

1985年1月、ヨーロッパ経済共同体(EEC:European Economic Community、のちにヨーロッパ共同体(EC:European Communities)に改称の上、欧州連合(EU:European Union)が発足)の欧州委員会委員長に就任。以後、1994年末まで、欧州連合において最も強い権限を持つと言われる同職を3期・10年に渡って務め、第二次世界大戦後における欧州統合を強く提唱したことで世界的にその名を知られることになる。当人の尽力により、欧州連合は統一通貨を導入の上、単一市場と共通の安全保障・外交政策を構築した。さらに、国境検問が廃止され、欧州連合内の国々で人や物が自由に移動できるようにもなった。その功績などが高く評価され、フランス国内には大統領選挙への出馬を強く推す声もあったが、本人は辞退していた。

近年は、諸分野に渡る調査・研究を行うシンクタンクを運営していたという。

フランス・パリにある自宅にて死去。死因などの詳細は明らかにされていない。98歳。

タイトルとURLをコピーしました