篠山紀信

(しのやまきしん)
写真家・カメラマン。時代の流れやトレンドを的確に掴み、その時々を象徴する数々の著名人を写真に収め続けてきた日本を代表する大御所カメラマン。元歌手・アイドルである南沙織の夫。俳優・タレントである篠山輝信の父。

東京市淀橋区(現在の東京都新宿区)に生まれる。日本大学の芸術学部・写真学科を卒業後、広告制作会社への勤務などを経て、1968年にフリーの写真家として独立した。以後、女優やアイドルの写真集、レコードのジャケット、雑誌の表紙など、幅広いジャンルの写真を手掛け、その道の第一人者となった。

特に、1991年に発売された女優である宮沢りえの写真集「Santa Fe」や、同じく女優である樋口可南子の写真集「Water Fruit 不測の事態」などが大きな話題となった。「Santa Fe」は、当時トップアイドルだった宮沢りえのヌードを撮影したことで165万部を売り上げる大ベストセラーとなったほか、「Water Fruit 不測の事態」は、以後ブームとなる「ヘアヌード」と呼ばれるジャンルの先駆けとなった。

そのほか、撮影対象は女優・俳優・タレントのみならず、ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻、三島由紀夫など、時代を反映した人物全般に渡る。青年雑誌「GORO」での「激写」シリーズや、「週刊朝日」での「女子大生」シリーズなど、特定のテーマによる連続モノも数多い。

発表した作品には、上述した「Sante Fe」や「Water Fruit 不測の事態」を始め、「篠山紀信と28人のおんなたち」「スター106人」「オレレ・オララ」「決闘写真論」「ヴェニス、光と影」「シルクロード」「作家の仕事場」「TOKYO NUDE」「坂東玉三郎の世界」「TOKYO未来世紀」「三島由紀夫の家」「ひなのがぴょんぴょん(吉川ひなの写真集)」「RIONA(葉月里緒奈写真集)」「少女たちのオキナワ」「RINKO(菊地凛子写真集)」「ザ歌舞伎座」「NO NUDE by KISHIN(シリーズ)」「神話少女(栗山千明写真集)」「ATOKATA」「清純な大人(白石麻衣写真集)」など枚挙に暇がなく、その数は優に300を超えると言われている。

レコードジャケットでは、「明日から私は」(藤圭子)、「みだれ髪」(美空ひばり)、「No.1」(柏原芳恵)、「ひと夏の経験」(山口百恵)、「LOVE LOVE LOVE」(DREAMS COME TRUE)、「ひとかけらの純情」(南沙織)など、多数。

これまでにモデルとなった女優・俳優・タレントには、上述した宮沢りえや樋口可南子を始め、青山知可子、川上麻衣子、高岡早紀、手塚理美、喜多嶋舞、明日花キララ、石田えり、小島可奈子、名取裕子、中村アン、原紗央莉、さとう珠緒、杉田かおる、大竹しのぶ、水沢アキ、荻野目慶子、井上晴美、本木雅弘、森下愛子、山口百恵など、こちらも枚挙に暇がない。

主な受賞歴に、広告写真家協会展APA賞、芸術選奨新人賞、毎日芸術賞、菊池寛賞など。

東京都内にある病院にて死去。死因は老衰とされている。83歳。容体が急変し、病院に緊急搬送されたが亡くなってしまったという情報もあり、当初は詳細が不明だったものの、所属事務所である「株式会社篠山紀信」が株式会社小学館との連盟によるプレスリリースにて、老衰であった旨を正式に発表した。

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