飯田勧

(いいだすすむ)
実業家・企業家。首都圏を中心に多くの店舗を展開するスーパーマーケット「オーケー」の創業者兼会長として知られている。日本警備保障株式会社(現在のセコム株式会社)の創業者である飯田亮の兄。

1928年、東京都生まれ。実家は酒類問屋「岡永商店」(現在の株式会社岡永)を営んでおり、第二次世界大戦後、同社に常務取締役として入社。入社13年目となる1958年に、同社の小売部門として東京の上板橋にスーパーマーケット1号店となる「オーケー」を開店。1967年には岡永商店より分離してオーケー株式会社を設立し、社長の座に就いた。

1971年には、株式会社東京スーパーマーケットを吸収合併するなど着々と規模を拡大。1986年に、現在も経営の軸となっている「高品質・エブリデー・ロープライス」(Everyday Low Price)を掲げ、品質にこだわりながら、あらゆる商品を毎日低価格で販売するスタイルを定着させた。また、正確な商品情報を顧客に伝える「オネスト(正直)カード」の導入や、自動発注システムの活用を始めとするコンピュータを駆使した事業運営など、オリジナリティあふれる経営で小売流通業界をリード。業績は右肩上がりに成長し、1都3県に150店舗以上を展開する大手へと育てた。

2014年に会長に退いたが、2023年には高級店舗やブランドショップが居並ぶ東京都中央区銀座への出店を実現するなど、その後も躍進を継続。2006年に発足した「オーケークラブ」の会員は、現在700万人に迫る勢いとなっている。

死因は、肺炎であった。96歳。

タイトルとURLをコピーしました