（すぎむらはるこ）
女優。数々の舞台を始め、多数の映画やテレビドラマに出演し、日本の演劇界において多大な功績を残した代表的な女優の1人。泉ピン子・加藤武・水谷八重子など、彼女を師と仰ぐ俳優も多い。文化功労者。東京都名誉都民。日本新劇俳優協会会長などの要職も務めていた。
主な受賞歴は、日本芸術院賞、ブルーリボン賞助演女優賞、日本映画批評家大賞特別女優賞、毎日映画コンクール（女優主演賞・女優助演賞）、山路ふみ子映画賞文化賞、紀伊国屋演劇賞、読売演劇大賞、日刊スポーツ映画大賞女優主演賞、キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞、朝日文化賞、放送文化賞、芸術祭賞、毎日芸術賞など、枚挙に暇がない。
代表的な出演舞台は、「彼女」「鳥獣合戦」「女の一生」「華々しき一族」「二号」「薔薇と海賊」「トスカ」「華岡青洲の妻」「牡丹燈籠」「やどかり」「日の浦姫物語」「ターリン行きの船」「路地に咲く花」「木瓜の花」「ウェストサイドワルツ」「流れる」「欲望という名の電車」「晩菊」「恋ぶみ屋一葉」など多数。
また、主な出演映画には、「浅草の灯」「南海の花束」「四つの恋の物語」「わが青春に悔なし」「また逢う日まで」「麦秋」「東京物語」「千羽鶴」「勲章」「晩菊」「警察日記」「にごりえ」「めし」「足にさわった女」「小早川家の秋」「秋刀魚の味」「怪談」「華岡青洲の妻」「赤ひげ」「侍」「母」「海軍」「さくら隊散る」「化石」「午後の遺言状」などがある。
さらに、主な出演テレビドラマは、「五重塔」「虹の設計」「おんなの家」「ひまわりの詩」「三男三女婿一匹」「たんぽぽ」「青春放課後」「ありがとう」「ほんとうに」「おだいじに」「女たちの忠臣蔵」「関ヶ原」「春よ来い」「塀の中の懲りない面々」「春の姉妹」「おんなは一生懸命」「四十年目の恋」「渡る世間は鬼ばかり」「いまどき銀座物語ぼんぼん」「春よ、来い」など、数え切れぬほど。
著書に、「舞台女優」「女優の運命」「自分で選んだ道」「振りかえるのはまだ早い」などがある。
死因は、頭部膵臓癌であった。91歳。晩年は、これまで降板など一度もしたことのなかった彼女が、体調不良により降板することがあった。その時には既に、膵臓癌に侵されていたと思われる。しかしながら本人には告知されず、亡くなる直前まで台本に目を通していたという。最終的な死因は、頭部膵臓癌とされている。
