すぎやまこういち

作曲家・編曲家・指揮者。空前の大ヒットを記録し、現在でも愛好家が多数存在する伝説的なロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」(シリーズ)の楽曲を生み出した作曲家として有名。音楽活動に勤しむ傍らで、JASRAC(日本音楽著作権協会)評議員、JCAA(日本作編曲家協会)常任理事、国家基本問題研究所評議員、歴史事実委員会委員、日本バックギャモン協会名誉会長、日本カジノ学会理事、喫煙文化研究会代表などの要職も歴任した。音楽家・ヴィオラ奏者で、元東京都交響楽団・団員である椙山之子の夫。フジテレビのプロデューサーである時宗大の父。旭日小綬章・旭日中綬章受章者。文化功労者。

東京大学を卒業後、アルバイトや文化放送への勤務などを経て、フジテレビに入社。同社にてディレクターを務めていたことはあまり知られていない。ほどなくして退職し、フリーのディレクターとして活動する一方で、作曲活動にも注力。以後、歌謡曲に加えてアニメ音楽なども手掛けるようになっていった。

ゲームのジャンルにおける作品には、上述した「ドラゴンクエスト」(シリーズ)に加え、「不思議のダンジョン 風来のシレン(シリーズ)」「ウイングマン」「ワールドゴルフ」「46億年物語」「赤川次郎の幽霊列車」「テトリス2+ボンブリス」「モノポリー」「バックギャモン」「サイバリオン」「スターコマンド」などがある。

アニメのジャンルでは、「子鹿物語」「伝説巨神イデオン」「科学忍者隊ガッチャマン」「マシンハヤブサ」「まんが世界昔ばなし」「シリウスの伝説」「サイボーグ009」「ドラゴンクエスト(アニメ)」「魔法騎士レイアース」など。

楽曲を提供したアーティストは、太田裕美、ザ・ジャガーズ、ジャッキー吉川とブルー・コメッツ 、ガロ、柏原芳恵、キャンディーズ、城みちる、ザ・タイガース、西城秀樹、日髙のり子、橋幸夫、ザ・ワンダース、森昌子、堀内美紀、ザ・ピーナッツ、ヴィレッジ・シンガーズなど、多数。

「サロンパス」(久光製薬株式会社)、「キンチョーサッサ」(大日本除虫菊株式会社)、「ニベアスキンミルク」(ニベア花王株式会社)、「キリンレモン」(キリンビバレッジ株式会社)、「レモンスカッシュ」(株式会社不二家)、「アクア」(トヨタ自動車株式会社)など、CMにおける楽曲も数多く手掛けた。その数は実に2,000曲を超えると言われている。

著書(共著を含む)に、「やさしい作曲入門」「すぎやまこういちの体験作曲法」「すぎやまこういちのゲーム大博覧会」「国産カメラ図鑑」などがある。

主な受賞歴に、日本レコード大賞(企画賞、特別企画賞)、日本ゴールドディスク大賞(アルバム賞)、文化庁メディア芸術祭大賞(デジタルアート・インタラクティブ部門)、JASRAC賞(銀賞、銅賞)、渡辺晋賞(特別賞)などがある。また、2016年には、ゲーム音楽の作曲家として世界最高齢(当時84歳と292日)であるとして、ギネス世界記録にも認定された。

死因は、敗血症性ショックであった。90歳。死去の事実は、1週間ほど経過したのちに、株式会社スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」公式サイトにて発表された。

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