福田尚武

(ふくだなおたけ)
写真家。舞台写真家として、歌舞伎専門の写真撮影を手掛けた。

山梨県に生まれ、日本大学芸術学部・演劇学科に在学中から舞台の撮影を開始。中村勘三郎(17代目)に注目されたのをきっかけにプロの写真家となり、以後、50年以上に渡って歌舞伎俳優が舞台上で演じる姿を撮影し続けた。1つ1つの写真に魂を込め、演目1つに1週間以上をかけて撮影することもあったという。まるで目の前で歌舞伎俳優が演じているかのような臨場感あふれる写真に定評がある。

52歳となる1996年、糖尿病で視力が極端に低下したほか、両足切断という憂き目に遭う。また、心臓病によってバイパス手術を受けるなどの事態にも見舞われたが、それでも車椅子を操りながら劇場に通い、写真家であり続けた。中村勘三郎(18代目)からも絶大なる信頼を受けており、2004年、東京都台東区西浅草のテプコ浅草館にて、福田尚武写真展「平成中村座」を開催。また、2016年には、東京都豊島区の区民センターにて、「福田尚武歌舞伎写真展 〜 歌舞伎に魅せられて半世紀 〜」を開催した。

発表した主な写真集に、「坂東玉三郎・舞台」「坂東玉三郎舞台写真集」「学校百科 – はじめてみる伝統芸能(シリーズ)」などがある。

東京都新宿区にある病院にて死去。死因は、腎不全であった。78歳。死去の事実は、2ヵ月半程が経過した12月下旬になってから明らかとなった。亡くなる4日前まで撮影に取り組んでいたという。

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