柳田豊

(やなぎだゆたか)
俳優。1930年生まれの東京都出身。明治時代に大阪にて立ち上げられた演劇会を前身とする劇団「新派」に所属。同劇団において、最もベテランの重鎮俳優として知られている。なお、劇団新派にはほかに、水谷八重子、喜多村緑郎、波乃久里子などが所属し、活躍している。

千秋実が主宰する劇団薔薇座への所属などを経て、1953年に劇団新派に入団。初代水谷八重子に師事し、着々とキャリアを積みながら、1959年、同劇団の幹部に昇進。実に70年の芸歴を誇り、「華岡青洲の妻」における良庵、「日本橋」における甘酒屋、「婦系図」における酒井俊蔵、「ふりだした雪」における傳蔵、「鶴八鶴次郎」における支配人竹野、「京舞」における中島勝蔵、「朗読・残菊物語」における五代目菊五郎、「滝の白糸」における裁判長など、趣と味わいのある堅実な演技で人々を魅了し、幅広い役柄を演じ続けた。

また、山本周五郎生誕100年記念番組としてTBS系列にて放送された「初蕾(はつつぼみ)」(山本周五郎の小説をテレビドラマ化。2003年12月放送)では、宮沢りえ・東山紀之・松村雄基・泉ピン子・宇津井健ら豪華俳優陣と共演し、説得力のある演技を見せた。そのほかの出演ドラマに、「柳橋慕情」「取調室16 – 血の海の密室同時殺人」「弁護士・朝日岳之助」などがある。

受賞歴に、日本俳優協会賞(功労賞、2002年)など。

死因は、肺炎であった。93歳。死去の事実は、松竹より発表された。

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