コメディアン・音楽家・作曲家（アメリカ）。日本語表記では「トム・スマザース」とされることも多い。正式な名前は「トーマス・ボリン・スマザーズ三世」。弟のディック・スマザーズと組んだミュージカル・コメディ・デュオ「スマザーズブラザーズ」（Smothers Brothers）がよく知られている。1937年、アメリカ合衆国東部ニューヨーク・ガバナーズ島のフォートジェイ生まれ。
カリフォルニア州サンノゼの公立大学であるサンノゼ州立大学に在学中、弟ディックとともに音楽活動を開始。かねてよりフォークミュージシャンに憧れていたが、ほどなくしてフォークミュージックにコメディの要素を掛け合わせたことで人気を集め、ミュージカル・コメディ・デュオとしての地位を確立した。
1967年には、テレビバラエティの冠番組「ザ・スマザーズ・ブラザーズ・コメディー・アワー」（The Smothers Brothers Comedy Hour）を持つに至ったものの、ベトナム戦争に反対の姿勢を訴えたことなどが問題視され、1969年に終了した。彼らを支持する一部の関係者からは、「政治的な圧力によって、革新的なバラエティ番組が打ち切られてしまった」との声も聞かれた。
その後、映画やテレビ番組などで活躍する傍ら、ミュージシャンとしても活動を続け、1969年にジョン・レノンが「プラスティック・オノ・バンド」名義で発表した楽曲「平和を我等に」（Give Peace a Chance）で、ジョン・レノンとの共演も果たした。
出演した主な映画には、「汝のウサギを知れ（Get to Know Your Rabbit）」「シルバー・ベアーズ（Silver Bears）」「シリアル（Serial）」 「花嫁は帰る（There Goes the Bride）」「パンデモニウム（Pandemonium）」「キャノンボール／新しき挑戦者たち（Speed Zone）」などがある。
また、出演した主なテレビ番組には、「Tales Of The Unexpected」「The Bear Who Slept Through Christmas」などがある。
アメリカ合衆国・西部カリフォルニア州にあるサンタローザの自宅にて死去。死因は、癌であった。86歳。かねてより癌のために闘病生活を送っていたという。
