柚木沙弥郎

(ゆのきさみろう)
染色家・染色工芸家・アーティスト。

1922年、東京府東京市(現在の東京都北区)に生まれ、東京帝国大学(現在の東京大学)にて美術史を学んでいたが、第二次世界大戦末期の1943年に労働力不足を補うため生徒や学生が食料生産や軍需産業などに動員された「学徒動員」により労働者として駆り出される。さらに兵士として動員される「学徒出陣」によって大井海軍航空隊に配属。終戦後、24歳となる1946年に岡山県にある大原美術館に就職、芹沢銈介の作品にインスパイアされたことをきっかけに、染色家を志すことになる。以後、1948年に発表した初めての作品「紅型風型染布」を始め、技法の1つである「型染」を軸にしながら帯・着物・服地などを中心にさまざまな作品を生み出す。

2014年には、フランスの首都パリにて個展を開催するなど、世界でも活躍。国内外の若いクリエイターからも絶大な人気を集め、数々のコラボレーションを実現。100歳を超えても現役として活躍した。

染色家としての芸術活動に勤しむ一方で、絵本における原画にも取り組み、「せんねんまんねん」「魔法のことば」などの作品がある。また、日本民藝館評議員、女子美術大学専任講師、同大学教授、同大学学長、女子美術短期大学学長などの要職も歴任した。

受賞歴に、宮沢賢治賞、国際図書賞、ベルギー・ブリュッセル万博銅賞、国画奨励賞、JAPAN天心賞(特別賞)、毎日デザイン賞など。

東京都渋谷区にある病院にて死去。死因は、鬱血性心不全(うっけつせい心不全)であった。101歳。死去の事実は、近親者などで葬儀を営んだあと、約1週間後に明らかとなった。

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