アレクセイ・ナワリヌイ

政治活動家・弁護士(ロシア)。なお、名前については「アレクセイ・ナヴァリヌィ」「アレクセイ・ナバリヌイ」「アレクセイ・ナヴァーリヌイ」「アレクセイ・ナワルニー」など、さまざまな表記がある。

大ロシア主義者の反体制派指導者・反汚職活動家として知られ、ロシアでは絶大なる権力を誇るプーチン大統領を厳しく批判することで話題となることが多かった。反体制派からはカリスマ的な人気を誇っていたが、昨年末より知人らが連絡が取れなくなったことをSNSに投稿するようになり、かねてから身柄を拘束されていたモスクワ郊外にある刑務所から北極圏の刑務所に移送されたことが判明した。

10年以上前からプーチン氏率いる与党を批判し、市民の注目を集めていた。また、議会に対する不正疑惑を追及するデモでも先頭に立つなど、精力的な政治活動を展開。さらには、世界トップレベルの規模を誇る動画共有サイトYouTubeにおいてもさまざまな暴露を続け、膨大な量の再生回数を集めていた。

2020年には飛行機内で毒物によるものと見られる攻撃を受け、生死を彷徨ったこともあった。ロシア政府と対立する西側諸国、および当人は、プーチン氏の秘密部隊が関わっているとして激しく非難したが、その後、ドイツで治療を受けていた当人がロシアに帰国すると、直後に身柄を拘束された。

2022年には、思想の自由と人権を守るべく献身的な活動を行った人物を称えるために欧州議会が創設した賞であるサハロフ賞を受賞。さらに2023年には、上述した毒物事件を扱ったドキュメンタリー映画「ナワリヌイ」(Navalny)がアカデミー賞(長編ドキュメンタリー映画賞)および英国アカデミー賞(ドキュメンタリー賞)を受賞した。

北極圏にある刑務所にて死去。死因などの詳細は公表されていない。47歳。散歩後に体調不良を訴えて意識を失い、そのまま亡くなってしまったという。ロシアの民主主義擁護者の訃報を受けて、各国の首脳からは哀悼の意とともに、ロシア政権への非難が相次いで発表された。その後、ロシア当局からは事件性のない「突然死症候群」であったとの旨が、母親と弁護士に対して知らされたという。また、家族からの遺体引き渡し請求に対しても、当局は当初応じなかった。

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